下痢は間違った歯磨きから

下痢の原因は間違った歯磨きから

下痢の原因は様々ですが、食べ物や精神的な事が原因と思われがちですが、実は日常の習慣から下痢の原因となる事があるのです。それは歯磨きの習慣です。

えっ!と驚かれる人もおられるでしょうが、それがなぜ下痢の原因となるのでしょうか?

歯磨き習慣は何のため?

多くの人は「虫歯にならないためです」と答えられるでしょう。それは正解です。しかし、その歯磨きには大きな落とし穴があるのです。歯磨きの仕方で下痢になる、病気になるなど全身の疾患にかかわってくることがあるのです。

就寝前の歯磨きと起床時のうがい

お口の中の状態は夜寝ている時に悪くなると言われると、少し驚かれるかもしれません。普通に考えると、寝ている時には何も飲んだり食べたりしていないのに、なぜ悪くなるのかが分からないと思います。

その理由には、「だ液」が大きく関わっているからです。では唾液はどんな役割をしているのでしょうか。

唾液の役割

殆どの人があるのが当たり前唾液ですが、唾液にはたくさんの重要な役割があるのです。唾液は口内を潤すためだけに分泌されているわけではありません。例えば、会話や食事といった日常生活はもちろん、さまざまなところで無意識のうちに役立っています。

唾液は、主に、耳下腺、顎下腺、舌下腺という3つの大きな唾液腺から、1日に1000~1500mlほど分泌されます。

以下では唾液の健康に関する働きは主に次の8つが挙げられます。

①消化作用

唾液中に含まれる消化酵素アミラーゼは、デンプンと反応して麦芽糖へ分解します。消化は口腔内から始まります。ですから、炭水化物を含むご飯やパンは良く噛むほど消化酵素と混ざり合い、消化吸収が良くなります。

②緩衝作用(かんしょう)

唾液のPHを一定に保ち細菌を抑えます。唾液に含まれる炭酸・重炭酸・リン酸などの成分は、口内のpHバランスが酸性・アルカリ性のどちらかに傾かないよう、調節してくれます。

③味覚発現作用

味は下の上に置くだけではわかりません。食べた物が唾液の中に溶けだすことで、味がわかります。味覚物質を溶解して味覚を促進させます。

④円滑作用

唾液によって口が適度に湿っていると、口が滑らかに動き、発音、会話、咀嚼、嚥下(飲み込む力)が楽になりすべてがスムーズに運びます。

⑤自浄作用

唾液は食事をしていない時にも分泌され、歯や舌の表面に付いた食べ物のカスや細菌などを洗い流して、口の中を清潔に保ち、口の中を掃除します。

⑥抗脱灰作用

細菌は口内の食べカスなどをエサにします。カルシウムイオン、リン酸イオン、フッ素イオンを含む唾液は、食事によって、食べ物が分解する時に有毒ガスや酸を発生させ一時的な脱灰(だっかい)を起こします。

脱灰は歯の表面からミネラル分が溶けだす状態です。つまり、ミネラル成分が亡くなるのです。食事によって一時的な脱灰状態となった歯のエナメル質の再石灰化を促してくれます。正常な再石灰化が起こることで、脱灰状態の進行を防ぎ、虫歯リスクを軽減しています。

しかし、脱灰の状態が続くと、「初期の虫歯→穴があくくらいの虫歯」になってしまいます。歯磨きや、毎日のお手入れで再石灰化を促せば、自然治癒が可能です。

⑦抗菌作用

抗菌作用のある酵素、リゾチーム、ペルオキシダーゼ、免疫グロブリン、ラクトフェリンなどが、口内に侵入した細菌の活動を抑えています。自浄作用とともに細菌の繁殖を阻害し、細菌感染から体を守ります。

⑧保護作用

唾液が歯や口腔粘膜を覆うことで、口の乾燥を防いだり、細菌による刺激や感染、歯の摩耗・脱灰(歯のエナメル質の溶解)を防いでくれます。

唾液の分泌量は様々な原因で減少

唾液の分泌量は、ストレスや疲れ、加齢、薬の副作用などに伴って減少します。

唾液の分泌は、夜寝ている時はあまり活動していないため、少なくなります。おまけに口をあけて口呼吸をしている状態で寝ていると、更に口の中は「カラカラ」に乾いてしまいます。そのため、夜間に口の中で細菌が繁殖しやすく、朝起きると、口の中がネバついたり、口臭が気になったりしがちです。

おまけに歯や歯茎の表面を保護する役目の唾液も少なくなり、虫歯や歯周病が進行するリスクがあります。

朝起きた時に口臭が気になる、口の中がヒリヒリ乾いた感じがある、などの自覚症状がある人は、特に要注意です。唾液は唾液腺をマッサージすることで唾液の量を増やすことが出来ます。
気になる方は唾液腺のマッサージをしてみましょう。

下痢の原因となる順序が間違いの歯磨き

歯磨きは大抵の人が、食後、朝夕に磨きます。寝ている時に菌が増えやすくなり、お口の不調が出てきますので、寝る前には丁寧に必ず歯磨きされる方は多いと思います。

問題は朝の歯磨きです。皆さんは食後の歯磨きですか?あるいは朝起きてすぐの歯磨きでしょうか?

朝起きた時は、お口の中はバイ菌が増え、毒素が多い環境になっています。口の中に溜まった細菌を洗い流すためにも、口臭予防のためにも起きてすぐの歯磨きが健康のためには最もふさわしいのです。

食後の歯磨きは、口の中で増殖した細菌を全部飲み込んでしまったことになります。また、朝いちばんに水を飲むと、大量の細菌を飲み込みます。起きてすぐの唾液は1mlに含まれる細菌数はウンチの10倍もの細菌がいます。

勿論飲み込んでも細菌は、胃酸で大半は死んでしまいますが、体調の悪い時など、あるいは食べ物に混じって腸まで到達します。すると歯周病菌、あるいは常在菌などが腸に達し、それらが繁殖すると腸バリア機能が低下する恐れがあるのです。腸バリアが低下すると下痢の原因となります。

歯磨きは起きて一番に磨くのが理想的です。慢性的な下痢になって下痢の原因が分からない方はひょっとしたら、歯磨きの順序を変えて見ると下痢が改善されるかもしれません。

歯周病菌が下痢をはじめ全身の健康を損なう

歯周病菌は約800種類も存在し、中でもこの歯周病菌の一つジンジバリス菌が腸に流れ込むと腸内細菌叢がバランスを崩して、腸のバリア機能が低下します。腸バリア機能が低下すると、本来入ってはいけない病原菌や未消化のタンパクが入り込みます。

血液中に入り込んだ歯周病菌は、血液の流れに乗って全身に運ばれていき、臓器や血管壁にたどり着きます。血中に歯周病菌由来の毒素量(エンドトキシン)が増加することもわかってきました。当然、腸のトラブルも発生します。下痢にもなります。

そして、その箇所で内毒素(エンドトキシン)を遊離させるなどの毒性を発揮し、炎症を引き起こします。最近の研究で、心臓や脳、子宮などへ及ぼす影響が詳しく解明されつつあります。

歯周病菌による全身の健康被害

①消化器系疾患
歯周病菌は、胃炎や胃潰瘍などといった症状を引き起こすピロリ菌に似た症状を引き起こすため、体内に入り込むことで消化器系に悪影響を与えて腹痛や嘔吐、下痢などを引き起こすことがあります。

②心臓血管系疾
歯周病菌は歯ぐきから血管に侵入し、血栓を作ってしまうという特徴があります。そのため歯周病にかかっている人は、そうでない人よりも心臓血管疾患(心筋梗塞・動脈硬化・脳梗塞など)にかかりやすいとされます。

③呼吸器官系疾患
咳などによって歯周病菌が気管に入り込み、肺に感染してしまうことで肺炎を引き起こす可能性があります。高齢者や寝たきりの方に多く、命に関わることもあります。

④糖尿病
歯周病と糖尿病は互いに合併症を引き起こすと言われます。歯周病菌が歯ぐきから血管に侵入すると、肝臓や脂肪細胞に作用して血糖値を下げる働きを持つインスリンの生成を抑制し、血糖値を上昇させてしまうのです。

⑤低体重児出産・早産
歯周病菌が妊娠中の方の体内に入り込んでしまうと、子宮周辺に影響を与えて出産時に似た筋肉の収縮を引き起こすと言われています。そのため、歯周病が低体重児出産や早産の原因になる可能性があります。

下痢や病気のリスクを減らす正しい歯磨き

下痢は口腔内の細菌が原因となる事があります。虫歯菌と同様に歯周病菌も、生まれた時には口の中に存在しませんが、幼児期に限らず大人になっても常に感染します。
しかし、正しい歯磨きをすることで下痢をはじめ様々な病気のリスクを減らすことが出来ます。ではどのような歯磨きをすればいいのでしょうか。

①起きてすぐの歯磨き、あるいは丁寧なうがい
唾液の分泌が少ないのは就寝中ですから、口腔内にもっとも細菌が多く、口腔内の毒素が多いのも起床時です。ですから、朝起きたらすぐに歯磨きをして、口の中にたまった細菌を洗い流しましょう。
朝食後の歯磨きでは、口のなかで増殖した細菌を全部飲みこんでしまったあとになります。忙しい方は口をゆすぐだけでもかなり違います。ちなみに、朝、歯磨き前に水を飲みんではいけません。朝一番に起きてすぐに水を飲むということは、大量の細菌を飲み込むことと同じです。

②食後30分は磨かないように
食後すぐに歯を磨くことはせっかくの歯を傷つけてしまう危険性があります。食後すぐの口の中は酸性になっており、それが唾液で徐々に中性に戻っていき、ほぼ30分後に安定します。

ですから、食後すぐの歯磨きは避け、30分くらい経ってから磨くのが賢明です。

③歯ブラシは乾いたまま歯磨き粉をつける
濡らしてから歯磨き粉をつけると泡立ちがよくなり、泡で十分に磨けていないにもかかわらずさっぱりした気分になりやすく、よく磨いた気分になります。

泡立ちより、しっかりとしたブラッシングが大事ですから、濡れた歯ブラシで磨かないようにしましょう。

④うがいは1〜2回
初期の虫歯を予防し、進行を抑えるのに有効ということで歯磨き粉にはフッ素が入ったものが販売されています歯磨き後、何度もうがいをすると、フッ素が残らないので、うがいは1〜2回位が適切だと言われています。

⑤歯磨きは一日2回で充分
1日の歯磨きは起床時と就寝時の2回で充分だそうです。一度磨いたら18時間は大丈夫ですから、食後に口の中が気持ち悪かったら軽くうがいするだけでいいようです。

さて、今まで自分がしていた歯磨きの順序が間違っていたことがお判りでしょうか?みなさんも、歯磨きの習慣を見直してみては、いかがでしょうか?

下痢がなかなか改善されない、あらゆる方法を考えてみたが解決方法が見つからなかった方は歯磨きの習慣を変えてみてはいかがでしょうか。下痢の改善だけでなく、全身の健康にもつながります。

口の中も腸内と同じ環境

腸内には善玉菌、悪玉菌、日和見菌と細菌が群生しています。この群生を腸内フローラと言いますが、口の中も腸内と同じで善玉菌、悪玉菌、日和見菌(中性菌)といわれる3種類の菌が、およそ800種類ほど共生しています。

この『口腔フローラ』の中心は特に害を与えないと言われている日和見菌が大半を占めています。腸内フローラと同じです。では、なんで虫歯や歯周病になるのでしょうか?

腸で例えさせてもらうと、腸の調子が悪くなると、便通が悪くなるか下痢になってしまいます。腸内フローラを整えるために、ビフィズス菌を取ったり、乳酸菌を取ったりしませんか?
そうすることによって、また元の整った腸内フローラに戻すことで、腸の調子がよくなります。

これは、腸内フローラのバランスが崩れたものを、ビフィズス菌や乳酸菌を使って元の状態に戻すということです。口腔内も同様で、唾液の助けと正しい歯磨きをする習慣などで口腔フローラを整えることが出来ます。

腸内環境を整えよう

口腔フローラが乱れると歯周病菌が増えます、それらの菌が腸内に到達すると腸バリアが崩れてしまいます。腸バリアが崩れると当然腸内環境も乱れます。腸内での正しい機能が出来なくなり下痢にもなります。他の病気の引き金にもなります。

しかし、腸内環境がしっかり整っていれば、たとえ腸内に歯周病菌が来たとしても、歯周病菌は腸内で増えません。死んでしまうか、外に出されてしまいます。

ですから、腸内環境をしっかり整えることとても重要な事です。腸内環境を整えるサプリメントがありますので上手に利用しましょう。