下痢の原因は青かび・黒カビ・赤カビ
下痢の原因として挙げられるのはやはり食品による下痢が殆どです。中でもこの夏の時期、高温多湿で発生するカビによる下痢は多いものです。ではどんなカビが下痢の原因となるのかご一緒に考えてみましょう。
色で見分けるカビ①黒カビ ②青カビの場合 ③赤カビが下痢の原因の場合 腸内環境を改善しよう
下痢の原因となるカビの種類
カビは色によって、人にとって「良いカビ」と「悪いカビ」を見分けることができます。カビの姿は目に見えないほど小さいので、私たちがどんな種類のカビなのかを判別するには、色で見分けるしかありません。
色で見分けるカビ
①黒カビ(学名:クラドスポリウム)
黒カビは家の中に存在する代表的なカビです。結露しやすい窓の近くにあるカーテンや、エアコン、湿気がこもる浴室等に特によく発生しますが、住環境の中にはいたる所に存在しています。
空気中やハウスダストにもたくさん存在しているため、喘息やアレルギーの原因になる可能性があります。黒カビは頑固で生命力が強いため、いったん生えてしまうと、なかなか完全に退治することができません。
汚れやすく、湿気がたまりやすい箇所に発生しやすいので、日頃からこまめに掃除や換気をして発生を予防することが大事です。
黒カビの中でもエクソフィアラは危険な黒カビの一種です。傷口から感染すると炎症を起こして、最悪の場合脳まで侵入し、死にいたることもあります。
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②青カビ(学名:ペニシリウム)
青カビはみかんやレモンなどの柑橘類やリンゴといった果物、餅やパンによく発生する他、魚肉練り製品、サラミソーセージなどにも発生します。
また、ほこりはもちろん、穀類や果実といった農産収穫物等にも見られます。靴に発生することもあり、自然環境中に広く分布しているカビです。青カビは有害なものと無害なものがあります。
●有益な青カビ
青カビの中でも特に有名なのは、「ペニシリウム・クリソゲナム」。ペニシリンという抗生物質を分泌することで知られています。
「ペニシリウム・カマンベルティ」はカマンベールチーズの製造に使われるもので、色は白いのですが、ペニシリウム属(青カビ)の一種です。
●有害な青カビ
米を黄色や橙色に変色させる「ペニシリウム・シトリナム」、「ペニシリウム・イスランジカム」などがります。ペニシリウム・シトリナムは「シトリニン」を産生するカビで、シトリニンは腎臓に悪いカビ毒であることが知られています。腎細尿管上皮変性を起こします。
ミカンやレモンといった果実や、ユリやチューリップなどの球根類、穀類などの貯蔵中に、ペニシリウム属のカビが寄生して起こる病気は「青かび病」と呼ばれています。
「カンキツ青かび病」はその代表的なもので、貯蔵中の果実に「ペニシリウム・イタリカム(Penicillium italicum)」が寄生することで起こります。
青カビの中にはマイコトキシンというカビ毒を作り、ガンの原因になるものもありますから注意が必要です。
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③赤カビ(学名:フザリウム)
赤カビは畑などの土壌に多く生息し、特に麦やトウモロコシに寄生します。赤カビといっても、桃色、紫、薄黄色、赤など様々な色として現れます。
古くなったパンやごはんなどに生えてくる赤色がかったカビも赤カビです。湿度が高い場所なら金属やプラスチックの上でも繁殖するため、エアコンのファンやフィルターなどに多く繁殖します。
赤カビはマイコトキシンという危険性の非常に高いカビ毒をつくり、赤カビに汚染された食べ物を食べると、嘔吐や下痢などの食中毒症状や、免疫機能の低下を引き起こします。
マイコトキシンの一種であるアフラトキシンは、天然の物質としては現在知られている中で最も発ガン性の高いものです。
特に、ピ-ナッツ、ピスタチオナッツ、アーモンドなどの種実類、トウモロコシ、ハト麦、そば粉などの穀類及びそれらの加工品、ナツメグ、トウガラシなどの香辛料、ナチュラルチーズなど多くの食品から検出されています。
青カビの生えた食べ物は食べても問題ない場合がありますが、赤カビの生えた食べ物は絶対に食べないようにしましょう。
お風呂の赤いものは何?
お風呂の床や排水溝の近くに発生するあのピンク色のカビの様なものは、赤カビではなく「ロドトルラ」という赤色をした酵母の仲間です。
湿気を好み、皮脂や石鹸のカスを栄養にして繁殖するのはカビと同じですが、カビと違い、掃除をすれば簡単に落とすことができます。
麦をはじめ、多数の植物に寄生。温暖な気候と、低い湿度で成長。腹痛、倦怠感、下痢、嘔吐を引き起こし、死亡することもありますので、注意しましょう。
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腸内環境を強化しよう
「元気の元は胃腸から」と昔からよく言われています。私達は食べて健康になっていますが、総て食べた物が良いものではありません。中には体に害になるものも数多く食べています。それでも健康でいられるのは、腸内で行われる様々な活動のお陰です。有害なものは素早く排出する機能があるからです。
腸内環境が良好であればいいのですが、腸内環境が悪くなると様々な機能が低下し、下痢が続いたり、体の不調を来します。まずは腸内環境をしっかり整えてみましょう。下痢の改善は一段と早くなります。