下痢の原因・ガン治療中
下痢の原因は医学が発達するにつれ、あるいは環境の変化で増加しています。その中でも下痢の原因はガンの治療中に起こる事さえあります。
ガンになると精神的なストレスや薬などによるケミカルストレスで、病気に加えて身体にダメージを与え、下痢などを引き起こしてしまうのです。ではガン患者さんの下痢の原因にはどのようなものがあるのでしょうか。ご一緒に考えてみましょう。
下痢の原因はガンの治療中
下痢とは、水様の緩い便が頻繁に排泄されることです。 急性下痢は、便が緩くなり、一日に4回以上、4日間以上、2週間未満のものを指します。2ヵ月以上続く下痢は、慢性(長期)の下痢です。
急性下痢症の90%以上は感染症が原因ですが、感染症でない場合の原因のうち最も多いのは薬の副作用によるものです。
一方、慢性下痢症の原因のほとんどは非感染性であり、ガンの患者さんは、身体的にも精神的にも大きなストレスを受けますので、ガン治療中のどの段階でも下痢は起こる可能性があります。
例えば、化学療法、放射線療法、放射線療法、骨髄移植、手術などの治療です。
●一部の化学療法や標的療法薬は、小腸における栄養素の分解や吸収の過程を変化させ、下痢を引き起こします。
化学療法を受けている患者さんの半数以上に、治療の必要な下痢が生じています。
● 腹部や骨盤への放射線療法は、腸の炎症を引き起こすことがありますので、消化不全、ガス、鼓脹、痙攣(けいれん)、下痢などの症状がみられます。長くて治療後8~12週間続くことがありますが、人によっては下痢にならない人もいます。
●放射線療法と化学療法の治療中の方は、激しい下痢を経験することがよくあります。
入院治療の必要がないこともありますが、外来診療所や在宅ケアで治療が行われます。
静脈内への水分補給が行われ、薬剤が処方されることもあります。
●骨髄の移植を受けた患者さんは、移植片対宿主病(GVHD)が発生することがあり、吐き気と嘔吐、重度の腹痛と痙攣、水っぽい緑色の下痢便があります。
殆どの人が移植後1週間から3ヵ月の間に起こります。移植片対宿主病(GVHD)による下痢では、多くの場合に特別な食事による療法が実施されます。長期治療と食事管理が必要となる患者さんもいます。
●胃または腸を手術すると、消化機能が衰えてきます。手術後しばらくの間は細かくきざんだり、やわらかく煮込んで、消化の良い食事をするようにしましょう。
食べ物が未消化のまま腸内に流れ込んでいくと、消化不良となり下痢になる場合があるのです。
また、大腸の手術をすると、大腸からの水分の吸収が減少することにより、軟便や下痢になりやすくなります。
●ガンと診断され、また治療を受けることでストレスと不安で下痢になることがあります。
ガンと診断され、治療を受けていることによるストレスと不安は腸内環境を悪化させます。腸内環境が悪化し善玉菌が減り、悪玉菌が増えると腸内には有害物質が多くなり下痢になりやすくなります。
●ガンによる消化器以外の原因の下痢は甲状腺の病気、副甲状腺の病気、腎臓の病気、糖尿病なども下痢の原因になります。原因不明の長期の下痢の患者さんで内視鏡では異常がない場合はこれらの検査も必要です。
●特定の感染症に対する抗生物質療法は腸の内壁を刺激し、治療により改善しない下痢を引き起こす場合があります。薬を止めれば改善されます。
● 繊維や脂肪を多く含む特定の食物は健常者でも下痢を誘発します。何らかの疾患で治療中の方はなおさら食べ物に気をつけましょう。
下痢は生命を脅かす場合があります。特に治療中の方は栄養吸収などに影響しますので、早急に原因を突き止め、治療を開始することが大切です。
下痢になった際の記録
下痢の時には下記の事を記録しておきましょう。
①24時間以内の排便回数
②最後の排便はいつか。量、硬さ、色の状態
③血便の有無
④下痢の時の症状、めまいや極端な眠気、痙攣、痛み、吐き気、嘔吐、発熱の有無
⑤食べた物、24時間以内に何をどれだけ飲んだか
⑥最近の体重の変化
⑦24時間以内の排尿回数
⑧薬の服用の量と回数
⑨最近の旅行
ガン治療により生じる下痢は、食事変更で治療されることがあります。食事は少量ずつとり、以下の食物は避けるようにします:
①牛乳と乳製品。
②香辛料の含まれる食品。
③ アルコール
④カフェインを含む飲食物。
⑤特定の種類のフルーツジュース。
⑥ガスを発生させる飲食物。
⑦繊維や脂肪を多く含む食物。
下痢の改善には
軽度の下痢の場合、BRAT食、つまりバナナ(Banana)、米(Rice)、リンゴ(Apple)、トースト(Toast)を食べるようにすると、効果が見込めます。 透明な飲料を飲むと、下痢の緩和につながります。1日に最大で約3リットルの透明な飲料を飲むとよいでしょう。 こうした飲料には水、スポーツドリンク、薄い澄んだスープ、薄いカフェイン抜きのお茶、カフェインを含まないソフトドリンク、澄んだ果汁、ゼラチンなどがあります。重度の下痢の患者さんには、静脈内への輸液を行うか、他の栄養を静脈内投与する必要があるでしょう。
下痢がある場合の食事の注意点
●野菜や果物に含まれる水溶性食物繊維は腸の働きを整えますので、積極的に摂りましょう。
●煮物やスープ等軟らかく加熱して摂りましょう。
●水・スポーツ飲料等 水分の補給
をこまめにしましょう
●症状が落ち着いてきたら、スープやゼリー、 果物等を少しずつ摂り始めましょう
●食事が摂れそうな場合は、温かく消化の良いものを中心に小盛量から食べてみましょう
下痢が続く場合は
●刺激が強い下記の食品は避けましょう。
固く消化が悪い食品 油の多い食品・料理(揚物等) 牛乳・乳製品 香辛料を多量に使用した食品
アルコール カフェインを含む食品・飲料 等
●腹部を温めると、腸管運動の亢進が治まり痛みを和らげ、消化・吸収も促されます。
●重症の場合、 水分が摂れない場合は、すぐに医療機関に行きましょう。
腸内環境を強化しよう
「元気の元は胃腸から」と昔から言われています。ガンをはじめとする生活習慣病は殆ど腸内環境が悪いために起こることが原因と言われています。ですから腸内環境を改善すると病気も改善されます。 出来るだけ早く腸内環境を整えてみましょう。下痢の改善は一段と早くなります。腸内環境を整えるサプリメントがありますので上手に利用しましょう。
]]>