下痢の原因・炎症性下痢

下痢の原因は炎症性下痢

下痢が続く方は食あたり、食べ過ぎなどの心当たりもなく、全く下痢の原因の見当がつかないで悩んでおられます。

また、突然に血便が出るなどの症状の方は、「炎症性腸疾患」の可能性があります。

下痢が続く炎症性腸疾患とは

人の体には免疫系の防御システムが備わっており、ウイルスや細菌などの異物の存在を察知すると体内から追い出そうと活動します。このときに腫れや痛み、発熱などの反応が起こります。この反応のことを「炎症」と呼んでいます。 炎症は体にとって大事なものですが、過剰に起こると体を傷つけることになります。炎症が消化管に起こる病気を総称して「炎症性腸疾患」といいます。炎症性腸疾患とは、腸が炎症を起こし、しばしば腹部のけいれん痛と下痢を繰り返し起こす病気です。 炎症性腸疾患には潰瘍性大腸炎、クローン病などがあり、20代から40代の若い方に多く、慢性的な下痢・血便などの症状が特徴です。
日本では潰瘍性大腸炎が20万人、クローン病が5万人と言われています。潰瘍性大腸炎では2018年の大腸ガン患者数15万人よりも多く、決してまれな病気ではありません。 根治するのは難しい病気ですが、きちんと薬物療法を行い上手につきあえば、ほとんどの方は症状なく普通に生活を送ることができます。

①潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎はほぼ常に大腸にしか炎症が起こりません。潰瘍性大腸炎の人では、通常、腹部のけいれん痛と血性下痢が間欠的に現れます。潰瘍性大腸炎は炎症の部位が大腸に限局しているのが特徴です。難病に指定されています。 近年、潰瘍性大腸炎は、リウマチなどの様な「自己免疫性の病気」ではないかといわれています。腸の粘膜を異物とみなした顆粒球(白血球の一種で炎症の原因となる細胞)が活性酸素を放出し、腸の粘膜を攻撃して傷つけるのです。

②クローン病

クローン病は消化管、口腔から肛門まで消化管のどの部位にも炎症が起こる可能性があります。潰瘍性大腸炎共にあらゆる年齢で見られ、体重減少や肛門の異常をともなうことも多く、慢性の下痢と腹痛がみられます。 原因は細菌感染説・ウィルス感染説・免疫異常説・遺伝的要因などが取り上げられましたが、現在もまだはっきりしてはいません。このため、潰瘍性大腸炎と同様、厚生労働省により難病に指定されています。

③共通点

これらの病気の原因は分かっていませんが、遺伝的素因をもつ人が腸内細菌や他の物質に対して異常な免疫反応を起こしている可能性があります。炎症性腸疾患はあらゆる年齢でみられますが、通常は30歳より前に始まり、一般的には14~24歳で発症します。炎症性腸疾患の患者の第1度近親者(母、父、姉妹、兄弟)では、炎症性腸疾患の発生リスクが4~20倍高くなります。下痢が長期にわたる人では、体重減少とビタミン欠乏症の症状がみられることがあります。 難病とはいっても、がんのような悪性の病気ではありません。経過からみると、糖尿病などの慢性の病気をイメージしてもらえば、わかりやすいと思います。炎症性腸疾患はときに、関節、眼、口、皮膚など別の部位の炎症を引き起こすこともあります。また、腸の患部の領域にがんが発生するリスクも高まります。

④治療方法

炎症性腸疾患は根治するには非常に難しく、適切な治療法はありませんが、炎症を和らげ症状を軽減するために、多くの薬( クローン病による腸の炎症を軽減する薬、 潰瘍性大腸炎による腸の炎症を軽減する薬)やその他の様々な治療法が役立ちます。重症の場合は、手術が必要です。慢性的な下痢が起こりますのでストレス解消法を勧めることがあります。

腸内環境を強化しよう

生活習慣病が原因で起こる病気の9割は腸内環境の悪化が原因とされています。炎症性腸疾も生活習慣から起こる病気です。そのために腸内環境を整えることは病気の発生予防、症状の軽減などに役立ちます。

腸内環境を整えるサプリメントがありますので、上手に利用するのも、下痢改善の早道です。

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