子供が病気になると親は心配です。特に日常生活の中で幼い子供の下痢が続くと心配になります。そんな時子供は元気でも病院に行くべきなのか迷ってしまいますね。
それでは、子供の下痢が続く場合、どのように対処したらいいのでしょうか?
下痢の原因・幼児の下痢が続く
今回は、1〜2歳の子供の下痢が続くときの原因や、下痢をしているけれど元気なときの対処法についてご紹介します。
1〜2歳の子供で下痢が続く原因は?
便は胃や腸で消化されて不要になった食べ物のカスや古くなった腸粘膜、水分などからできています。
便の水分量は消化器官内で調整されていますが、何らかの理由で水分量の調整が上手くいかなくなると、下痢が起こります。
幼い子供の下痢が続く時には、主に以下のような原因が考えられます。
下痢の原因は感染症による胃腸炎
①ウイルス性胃腸炎
ノロウイルスやアデノウイルス、ロタウイルスなどが感染して胃や腸に炎症が起きると、症状として下痢が現れることがあります。
下痢のほかに、嘔吐や発熱といった症状が見られることも珍しくありません。ロタウイルスの場合は白っぽい便になるのが特徴です。
その他のウイルス性胃腸炎の場合、多くは黄色や緑色になりますが、一定の傾向はありません。
下痢は米のとぎ汁のような白色の水様便で、何度も繰り返します。そのような状態が続くと、お尻がただれたり、脱水症状になったりします。
また、けいれんや脳炎といった合併症を起こす可能性もあり、最悪の場合、命に危険が及んでしまいます。
②細菌性胃腸炎
細菌性胃腸炎は、カンピロバクター菌やサルモネラ菌などの細菌が感染することで起こる胃腸の炎症で、いわゆる「食中毒」にあたります。
細菌性胃腸炎にかかると、下痢や発熱、嘔吐の症状が現れることがあります。ときには、血便が出ることもあります。
③乳糖不耐症
乳製品を食べた後に下痢が出ている場合、乳糖不耐症の可能性もあります。乳糖不耐症とは牛乳などの乳製品に含まれる乳糖を消化できず、下痢の症状が出てしまう病気です。
先天性のものと後天性のものがありますが、ほとんどは急性胃腸炎などによる後天的なものだとされています。
胃腸炎によって腸の粘膜が炎症を起こすと、乳糖を消化する酵素が出なくなってしまうのです。
胃腸炎が治った後も1週間以上下痢が続くときは乳糖不耐症の疑いもあるので、病院を受診しましょう。
基本的に特別な治療は行われませんが、下痢が治まってくるまでは乳製品を控えましょう。
経過が長い場合には、乳糖分解酵素(ミルラクトなど)を処方される場合もあります。
④食物アレルギー
子供に食物アレルギーがあり、その原因となる物質を体内に取り入れた場合、アレルギー反応として下痢の症状が出ることがあります。
食物アレルギーの症状としては、下痢のほかに、湿疹や嘔吐、充血などが挙げられます。原因となる食物を摂取してから2時間以内くらいに発症すること一般的です。
⑤食事
食べ過ぎたり飲み過ぎたりすると、腸の蠕動(ぜんどう)運動が活発になり、腸内で吸収される水分量が減ってしまいます。
結果的に、便の水分量が増え、下痢が起こります。また、冷たい飲食物を摂取しすぎると下痢になることもあります。
⑥疲労
疲労が溜まると、腸の水分を吸収する機能が低下し、下痢になりやすくなります。
⑦反復性軽症下痢
体質的なもので、特別な理由がなくても下痢を繰り返します。原因ははっきりしていませんが、精神的なストレスなども関係している可能性があります。
1〜2歳の子供で下痢が続いても、発熱や嘔吐などの他の症状が見られず、食欲があって元気な場合はしばらく様子を見ましょう。
慌てず、よくお子様を観察しましょう。しかし、以下のような症状が見られた場合は、体に異変が起きている可能性があるので、すぐに病院を受診しましょう。
子供が下痢になった際の病院に行く目安
① 下痢が1週間以上続いている
② 38.5度以上の熱が出ている
③ 嘔吐を繰り返し、腹痛を伴う
④ 下痢に血が混じっている
⑤ 元気がなく、ぐったりしている
特に注意する事柄
①飲み物を受けつけず顔色が悪い場合や、チアノーゼになって唇や爪が紫色になっている場合は、診察時間外でも病院に連絡して、医師の指示を仰ぐようにしてください。
②1〜2歳の子供が下痢で苦しんでいる姿を見ると、市販の下痢止めを飲ませてあげたいと思うかもしれませんが、原因によっては下痢を無理矢理止めることで、体の回復が遅れることがあります。
自己判断で市販の下痢止めを子供に飲ませることは、絶対に控えるようにしましょう。
1〜2歳の子供の下痢が続くときの自宅ケア方法
①水分補給
1〜2歳の子供で下痢が続くと、水分が失われ脱水症状が起きることがあるので、水分補給はこまめに行ってください。子供に与える水分としては、塩分や糖分などの電解質を含んだものが理想です。
②母乳の場合
母乳を与えている場合は、授乳を短時間で済ませ、与える回数を増やしていきます。ミルクを与えている場合は、半分に薄めてから回数を増やしてください。
下痢の症状がよくなってきたら、母乳は欲しがるだけ飲ませてあげて、ミルクはいつもの濃さに戻していきます。
また、離乳食をあげている場合は、野菜スープやおかゆなど消化のいいものを与え、様子を見ながら徐々にいつもの離乳食に戻していってください。
③お尻のケアー
下痢が続くと、お尻を拭く回数が増えるため、お尻が赤くただれることがあります。
お尻はシャワーや座浴できれいに洗い、清潔な状態を保つようにしましょう。
二次感染を防ぐために、子供のおむつを替えたり、吐しゃ物を処理したあとは、石けんで手を洗い、アルコール除菌を行ってください。
下痢を改善するために腸内環境を整えよう
幼い子供でも腸内環境を適切に保つことは非常に大切です。特に子供の頃の腸内環境はその子の人生の健康に大きく響きます。
腸内善玉菌が増える様な食事、あるいは錠剤が飲めるようでしたら、腸内環境を整えるサプリメントがありますので、上手に利用しましょう。