下痢の原因は様々です。下痢の症状として、一過性のもの、あるいは慢性的な下痢の人がいます。
一過性の下痢の原因ははっきりと分かりますが、慢性的な下痢の原因は非常に複雑で下痢の原因がなかなか見つからない場合が多いようです。
下痢の原因・・・薬剤起因性腸炎
慢性的な下痢の原因は主に生活習慣が下痢の原因となることが多いようです。また、薬の副作用として腸内が炎症を起こし下痢になるケースが多々あります。
医薬品の本来の目的は、病気に対する治療を図ることです。しかし、その目的に反して副作用が発生することがあります。薬剤の副作用として発生する大腸の病変を薬剤起因性大腸炎といいます。
つまり、薬剤の投与によって腸管にびらんや潰瘍などの炎症が起き、腹痛、下痢や下血などの症状が生じる病気です。
抗生剤によるものは抗生剤起因性腸炎とされ、それらはさらに偽膜性腸炎(ぎまくせいちょうえん)と出血性腸炎(しゅっけつせいちょうえん)に大別されています。
原因は何か
薬剤起因性腸炎を起こす薬剤としては抗生剤が最も多く、その他の薬剤では非ステロイド性消炎鎮痛薬、抗がん薬、免疫抑制薬、重金属製薬、経口避妊薬などがあります。
●偽膜性腸炎
偽膜性腸炎の原因は、抗生剤(とくにセフェム系やリンコマイシン系)の服用により腸内細菌叢の菌交代現象(腸内細菌バランスの乱れ)が起こり、ディフィシル菌が異常増殖し、それがつくる毒素が大腸粘膜の循環障害を引き起こすとされています。
ディフィシル菌とは
芽胞を形成する偏性嫌気性のグラム陽性桿菌です。健康な成人の5-10%、入院患者では約25%の糞便中から検出されます。病院で生まれた新生児の便からも分離されるので、新生児集中治療室などをC. difficile の芽胞の貯蔵庫と言う人もいます。老人施設も芽胞の貯蔵庫となる可能性が高いと考えられています。
芽胞を持っているので完全に除去することが難しく、床やトイレなど病院の環境中からも分離されます。そして、クリンダマイシン等の抗菌薬の投与を続けることによって正常細菌叢が乱れると、ディフィシル菌 が異常増殖して偽膜性大腸炎の発症に至ることになります。
●出血性腸炎
出血性腸炎のメカニズムはいまだに解明されていませんが、ペニシリン系抗生剤が何らかのアレルギー反応を引き起こし、大腸の血流を障害してびらんを引き起こし、出血を起こすとされています。
症状の現れ方
偽膜性腸炎は、基礎疾患のある高齢者に多くみられ、抗生剤投与5〜10日後に発生する水のような下痢が主な症状です。その他の症状としては腹鳴(ふくめい)、下腹の鈍痛、腹部膨満感(ぼうまんかん)、中等度の発熱も伴いますが、血便は比較的少ないとされています。
出血性腸炎は比較的健康な若年者に多い疾患で、かぜなどの治療のためにペニシリン系抗生剤を投与した3〜4日後に、突然の激しい腹痛と新鮮な血性下痢(トマトジュースのような便)がみられます。
検査と診断
抗生剤投与後に下痢がみられたら、まず本疾患を疑い、偽膜性腸炎では便中のディフィシル菌毒素の検出や便の培養検査を行います。大腸内視鏡検査では、直腸下端からS状結腸にかけての大腸粘膜に特徴的な黄白色調の半球状に隆起した偽膜がみられ、ひどい場合には全大腸に及ぶこともあります。 出血性大腸炎の大腸内視鏡所見としては、主に深部大腸(横行結腸が好発部位)にびまん性の粘膜の発赤と出血がみられ、潰瘍がみられることもあります。
治療の方法
抗生剤などの薬剤によって引き起こされる病気なので、原因薬剤の中止が治療の基本です。偽膜性腸炎ではディフィシル菌に著しい効果を示すバンコマイシンやメトロニダゾールなどが使われます。出血性腸炎では抗生剤の中止と対症療法だけで急速に症状が改善します。
腸内環境を強化しておこう
病気は誰でも起こります。しかし人は薬の力を借りて回復することが出来ます。この時、腸内の環境がよければ薬による腸内のダメージは軽減できます。9割の病気は腸で治すことが出来る程、腸内環境はとても重要なところです。 下痢の改善も腸内環境を強化すると下痢の改善は一段と早くなります。腸内環境を整えるサプリメントがありますので上手に利用しましょう。
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