便利な社会になり、便利さを追い求めた食環境や快適で清潔な生活、溢れる情報はともすれば下痢の原因ともなりやすいものです。
下痢の原因…腸の知覚過敏
下痢の原因がわからず、病院へ行って検査しても異常が無いのに下痢が長く続いて困っている人がここ近年増えています。腸は非常に敏感で賢い臓器です。
中でも、慢性的な下痢に悩まされている過敏性腸症候群は「腸の知覚過敏」ともいえるでしょう。それだけ繊細で防衛本能が強い、優秀な腸であるともいえます。
発症のきっかけ、原因は様々ですが、症状が長引いてしまう原因に、心理的な強い不安というのがあります。慢性的な下痢でお悩みの多くの方が、自分の腸に不安を抱き、だんだん自信が持てなくなっていくのです。
普通の日常生活を送っているにも関わらず、もしここで下痢になったら、もしこれを食べて下痢になったら、と悪い想像ばかりしてしまうのは、とてもよくありません。様々な情報に振り回され、良いことは考えずについつい悪い事ばかり考えてしまうものです。
腸は考える臓器といわれるぐらい、脳と密接な関係にあるため、頭で想像したこと、感じたことの影響は計り知れないのです。またその逆もしかり。腸内環境が優れないため、気分も落ち込み、思考もマイナスにむかってしまう、ということも言えるでしょう。
しかし、なかなか下痢が治らない状況が続けば続くほど、不安を払拭するのは難しいですよね。たとえ薬を服用していたとしても、長年、ひどい下痢でお悩みの方はなかなかすぐには安心、全快とはいかないのが普通です。
とにかく、治るのかどうか不安だ、人とあまりに排泄のサイクルが違うのではないか、トイレに行きすぎではないだろうか、こんな便でなければ異常だ、などなど、過敏性を患ってある期間が長ければ長いほど、いろんな知識ばかり吸収してしまい、頭でっかちになりすぎて、毎日の排便の状況に振り回されて気疲れを起こす方も多いのです。
そんな時は通常の内科ではなく、心療内科を頼ってみるのも賢い手です。きちんとお医者様に話をきいてもらうことで、心の負担が軽くなり、症状が改善していくこともあります。
「何も悪いところはありません。大丈夫です」そう言ってもらえただけで、心がすーっと軽くなることもあります。
また過敏性腸症候群と診断された人の半数はうつ病、不安障害の症状がみられています。
しかし、過敏性腸症候群は命にかかわる疾患ではしありませんが、生活の質がどれだけ低下するかをよく知っています。食事をするたびに腹痛や下痢があるとすれば、友人や家族と外食することの難しくなってきます。
また旅行、家事、性交、余暇活動、ある種の食べ物の摂取を避けるなど活動が制限されてきます。いつなんどき切迫した便意が襲ってくるか分からないと思うとやりたい事もなかなかできないのが現状です。
英国では800万人前後の人が過敏性腸症候群で悩み、1年間の欠勤日数は17日、アメリカでは過敏性腸症候群のない人の欠勤数が8.7日に対して症状がある人は14.8日となっています。
実際、過敏性腸症候群は風邪と同じくらいポピュラーな病気となっており、欠勤の増加や、下痢を伴う過敏性腸症候群では社会活動の制限がなされ大きな社会的影響を及ぼします。
過敏性腸症候群のある人の割合は男性、女性もあまり変わりませんが、受診する人は女性の方が多いようです。約半数の人は35歳未満で症状が出始め、35歳~40歳の人が40%を占めているほどです。
一般に、高齢者になると症状は出にくくなりますが、中には高齢になって症状が出る人もいます。高齢者の方は、過敏性腸症候群かどうかは、腸の病気が隠れている場合がありますので、必ず検査をしましょう。
いずれの場合も、疾患ではありませんが、腸のトラブルには間違いありません。 下痢の原因となる過敏性腸症候群の方は腸内環境が非常に悪くなっています。腸内善玉菌が少なくなって悪玉菌が多くなっている腸内環境になっています。
下痢でお悩みの期間が長ければ長いほど、回復には時間がかかると心しておきましょう。そして、腸内が改善していくときは、一気によくなる方もいらっしゃれば、調子のいいとき、悪いときを繰り返しながらよくなっていく方もいらっしゃいます。
焦らず、まずはうまく付き合っていこう、というような大らかな気持ちで治療にあたっていきましょう。
また腸内環境を整え下痢を改善するのに最適なサプリメントがありますので利用してみましょう。案外長年の下痢が改善したという事が多々あるものです。前向きにとらえて何でも挑戦してみるのも良い方法です。
下痢改善には腸内の免疫力を強化しよう
健康は食べ物から維持できますが、すべての食べ物が健康に良いものではありません。中には体に、腸に悪いものも食べています。
しかし腸内が正常な働きをしていれば、腸内で有害なもの、有益な物をより分け、有害な物は排出出来るようになっています。
ところが腸内の環境が悪くて腸内が正常な働きが出来ない場合は有害な物まで吸収したり、腸壁を炎症させたりします。
こうして腸内の環境が悪くなると、腸内の免疫力は低下し、いったん下痢になるとなかなか回復が難しく、長引く下痢の原因となります。