下痢の原因の一つに腸のぜん動運動が異常になって起る下痢があります。
●腸管運動が高まる事が原因による下痢の場合(腸管運動異常)
●ぜんどう運動とは
腸はひとくくりにされることがほとんどですが、大きく分けると小腸と大腸に区別することが出来ます。
小腸には十二指腸と空腸と回腸、大腸には盲腸と結腸(上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸)、直腸に分かれています。
食べたものが胃から小腸に送り込まれると小腸の運動が起こり、ぜんどう運動は小腸運動のひとつに含まれています。
ぜんどう運動とは、腸の輪走筋によって起こされるもので口側から肛門側に向かってものが送り出される運動のことです。
胃に近い十二指腸では逆方向のぜんどう運動もみられ、これは食べた物と消化液を混ぜるのに役立っています。大腸では通常のぜんどう運動の他に逆ぜんどうも行われ、盲腸から上行結腸にかけて起こっています。
大ぜんどうと言われる運動は横行結腸からS状結腸にかけて行われる運動で、平滑筋と言う筋肉も一緒に収縮して行われます。
腸の中で行われているこれらのぜんどう運動が亢進(病勢などが高まり進むこと)することが下痢の原因ではないか、と考えられる場合もあります。
●下痢はぜん動運動が異常に高まる
ぜん動運動が異常に高まると、腸の内容物が急速に通過するため、水分の吸収が充分に行われなくなります。そのため軟便や下痢便となります。
排便後も腸のぜん動運動が残ると腹部の不快感や腹痛があります。代表的な病気として過敏性腸症候群としてよく知られています。
日本人の10~15%にこの症状がみられます。検査を行っても炎症や潰瘍など目に見える異常が認められないにもかかわらず、下痢や便秘、ガス過多による下腹部の張りなどの症状が起こります。
以前は大腸の機能の異常によって引き起こされる病気ということで「過敏性大腸症候群」と呼ばれていましたが、最近では、大腸だけではなく小腸にも関係している事がわかり「過敏性腸症候群」と呼ばれています。
最近は過敏腸症候群の原因はストレスだけでなく、腸内そのものに原因があります。それはズバリ、”腸内細菌”にあるということでした。腸内細菌(悪玉菌)の異常繁殖によるとも言われています。
●下痢の原因は腸内悪玉菌の異常繁殖
腸に異常が見られないのに、なぜ、痛みや不快感、便通異常が起こるのでしょうか。
その原因は複数あると考えられ、はっきりとは解明されていませんが、最近の研究から「腸内細菌」が誘因であることがわかってきました。
過敏性腸症候群の人は、そうでない人と比べて腸を拡張する刺激に対して敏感に反応します。
その原因のひとつとして、腸内細菌のバランスが崩れることによって悪玉菌が増え、腹痛や腹部の不快感といった知覚過敏が起きやすいということがわかってきたのです。
腸と脳は密接な関連があり、お互いに情報を伝え合って機能しています。脳の中枢神経は、腸の運動や分泌、免疫機能、血液の流れなどを調節し、腸からも脳に情報が伝達されています。
私たちがストレスを感じると脳から腸にその情報が伝えられます。すると腸の運動を亢進させるだけでなく、腸内細菌のバランスにも影響を及ぼすのです。
●下痢の改善には腸内善玉菌が多いこと
腸内細菌は大きく善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3グループに分けられます。
悪玉菌は身体にとって悪い影響を及ぼす細菌ですが、腸内に悪玉菌が増えると便やガスを排出するための腸のぜん動が異常を起こし、下痢や便秘になりやすくなります。
便秘で腸の中に便が残ってしまうと、腸内に有害物質が溜っていき、それが血液に吸収されて全身にゆきわたると、肌の乾燥やにきび、吹き出物など肌トラブルが見られるようになります。
また、下痢、がん、糖尿病、うつ、アレルギーといったさまざまな病気が、腸内環境の悪化と関連があることもわかっています。
腸内環境を悪化させ、下痢や便秘を引き起こす悪玉菌。その悪玉菌を撃退するには善玉菌を増やすことが効果的です。なお、腸内細菌は一定の総量以上に増えることはありません。
つまり、善玉菌が増えれば悪玉菌の数は減ることになります。腸内環境において悪玉菌よりも善玉菌の数が増えれば、下痢や便秘が解消されます。また、善玉菌の働きによる健康効果を期待することが可能です。
●下痢の原因はミネラル不足にも関係
ストレスが長く続くと、体内で非常にミネラルを消費します。ミネラルは体内で作る事が出来ませんので、常に食事から補わなければなりません。
ところが人の食事は毎日何を食べるかはサイクルがおおよそ決まっています。よほど食事のバランスに気をつけている人以外は別です。
ストレスが生じると、その時点で体はそのストレスを何とか回避しようとしてミネラルを消費します。結果として食べる質・量はそう変わりませんので、ミネラルが不足してしまうのです。
ミネラルが不足すると腸内細菌善玉菌が増えなくなり、悪玉菌が異常に増え、 腸内細菌特に悪玉菌が異常増殖して、小腸にまで広がり、この細菌を異物とみなし、蠕動運動を活発化させて食物を未消化のまま大腸へどんどん送り出してしまいます。
その結果、下痢となってしまうのだそうです。
つまり 腸内細菌の異常によって過敏性腸症候群が起こるという事です。腸内細菌を正常に戻すための解決法はも考えていきましょう?
●ぜん動運動が低下する事が原因で下痢が起こる場合
透析患者の下痢では糖尿病性神経障害に伴う腸ぜん動運動が低下すると、腸内の内容物の通過速度が遅くなり、小腸内に細菌が増殖して、脂肪や水の吸収障害が起こり下痢となります。
また、糖尿病の合併症のひとつに、自律神経の障害があります。
下痢の原因は、自律神経の障害により腸の運動機能が低下し、小腸の上部を中心に腸内細菌(特に悪玉菌)が異常に増殖して腸内で発酵したガスが、腸を刺激するためと考えられています。
このような症状は、長い間、高血糖の状態が続き、消化管の働きを調整している自律神経の障害や細小血管の障害が元となって初めて発症します。
そのため長期間、血糖のコントロールが上手くいかないという自律神経障害の強い人に、下痢が続くという症状が現れるようです。しかも下痢は昼夜を問わず発生します。
糖尿病が原因の下痢は、ふつうの下痢止めでは効かないことが多く、かなり強い薬を用います。しばしばトイレに間に合わなく便失禁をしてしまうこともあり、日常生活に支障をきたす事があります。
ですから、糖尿病の方は、食生活でしっかりと血糖コントロールを良くしておくことがとても大切になります。
●下痢が起こる原因を少なくするために腸内環境を強化!
健康は何といっても腸が元気であれば、つまり腸内環境が正常であれば、たとえ腸内に悪いものが入ってきたとしても、腸内で増殖しない様に、あるいは素早く排出することができます。
下痢にならなくて済みます。下痢の改善には腸内環境をしっかり整える事が大切です。腸内環境を整えるのに必要なサプリメントがありますので、上手に利用しましょう。