飲み過ぎに注意! 豆乳が下痢の原因に?!

最近、植物由来の乳飲料というのが増えてきました。代表的な豆乳をはじめ、アーモンドミルクやオーツミルク、ココナッツミルク、米から作るライスミルクなどが挙げられます。

牛乳アレルギーの人でも飲めることなどから、人気を博しているこれら植物由来乳飲料ですが、豆乳は女性に嬉しいイソフラボンを含むことから、圧倒的な人気を誇っています。

ですが、この豆乳も飲み方を間違えると、下痢を誘発する原因になるので注意が必要です。

豆乳と日本人の食卓

意外にも日本で豆乳が多くの人に飲まれるようになったのは、戦後のことです。豆乳自体の歴史は古く、中国では2,200年前から作られていたとされています。日本では紙パックでの販売が始まり、手軽に手に入るようになってから、健康志向の高まりとともにブームになりました。ですが、最初のブームは青臭さとまだ渋みが強く残った味だったために数年で終息しました。

現在では味の問題も改良され、きな粉味やココア味など色々な味のおいしく飲みやすい豆乳製品が登場し、ヘルシーな飲み物として喜ばれています。

 

豆乳を飲むと下痢になる?

美容の面や健康効果を期待して豆乳を飲んでいる方は多いようですが、人によっては豆乳を飲むと腹痛下痢吐き気を催すことがあります。その理由として以下のようなことが考えられます。

 

消化不良

豆乳は大豆を絞って得られますが、そのために食物繊維やオリゴ糖が豊富に含まれます。これらの成分は腸内細菌のエサとなり、腸内細菌を元気にしてくれるため整腸作用が期待できますが、その反面、消化されにくいという特徴があります。美容や健康に良い豆乳ですが、胃が弱い人が豆乳を一気に飲んだり、飲み過ぎたりすると、消化が追いつかず、消化不良となり下痢になります。

解決策として、少量ずつ飲むことで胃腸への負担が抑えられます。胃腸が弱い人や、タンパク質の多い食品を食べると腹痛や下痢になる人は、豆乳を避けた方がいいようです。

 

マグネシウムの摂取過剰

成人が1日に摂取するマグネシウムの目安量は75mg~300mgです。無調整豆乳200mlにはマグネシウムが約53mg含まれています。これだけでしたら問題ないのですが、マグネシウムは他の食品から摂取していることが多く、気づかないうちに一日の摂取量をオーバーしていることもあります。

マグネシウムは木綿豆腐や納豆などの大豆製品、ワカメ、ゴマなどに含まれています。

マグネシウムは便を柔らかくする作用があり、便秘薬にも用いられている成分です。そのため、マグネシウムを摂り過ぎてしまうと軟便や下痢になったり、腹痛を起こす原因となります。

 

体の中からの冷え

豆乳を冷たいまま飲むと、さらに胃腸を冷やすことになるため、内臓の働きが鈍くなります。すると、やはり消化不良を引き起こして、下痢を招く原因になる可能性があります。

また、豆乳には体を冷やす「カリウム」が含まれています。冷たいまま飲むとさらに体温が下がり、腹痛の原因となることもあります。

とにかく体は冷やさないことが一番です。豆乳も温かくしたり、生姜などの身体を温めてくれる薬味を添えたりして利用するのがおすすめです。

 

飲み過ぎに気をつけて

ここまで見てきたように、豆乳には健康に良い面も悪い面も存在します。豆乳の健康効果を最大限発揮しながらも、下痢にならないようにするには豆乳をどのように摂ればよいのでしょうか。

必要以上に飲み過ぎない

身体の冷やしすぎや、マグネシウムの摂り過ぎを防ぐためにも、水やお茶の代わりとして豆乳ばかり摂取するのはあまりおすすめではありません。

目安として、一日にコップ1~2杯程度に留めた方がよいでしょう。

飲み方を工夫する

胃腸が弱く、ちょっとした気温の変化で腹痛や下痢を起こしやすい人は、「温める」や「少しずつ飲む」といった工夫をして、体に負担をかけずに豆乳を飲むようにしましょう。

また、大豆アレルギーの人の場合、これらの対処法を行っても下痢や腹痛を起こしてしまいます。大豆アレルギーの人は豆乳を控えた方が良いでしょう。

すべて、バランスが大事

ここまで見てきたように、豆乳は適度な量を摂る分には身体に良い飲み物ですが、飲み過ぎたりすると下痢になる可能性があります。

また、腸内環境が悪い場合、豆乳が充分に消化できなくなることがあり、その結果消化不良を起こして下痢になることがあります。

これらのことからわかるように、良好な腸内環境なくしては、せっかく良いと思って体に摂り入れたものも、体内で十分利用されることなく、下痢となって出て行ってしまいます。これではいくら体に良い物を摂っても意味がありません。

昔から元気のもとは胃腸からといわれている所以は、こうしたことにあるようです。では、胃腸を健康に保つにはどうしたらよいのでしょうか? 答えはずばり、腸内善玉菌です。腸内善玉菌が元気なお腹は、食べたものをよく消化吸収することができ、免疫力も高まっていくと言われています。

腸内細菌は日々入れ替わっていきます。良質な腸内善玉菌を毎日補給することが、腸内環境改善の第一歩です。納豆に代表されるような発酵食品やサプリメントなどで、善玉菌補給の習慣を作り、理想的な腸内環境を手に入れましょう。