食べ方に気をつけて!秋の味覚キノコ

秋といえば食欲の秋、という言葉を連想される方も多いのではないでしょうか。栗、柿、さつまいもなどが旬をむかえることに加えて、気候も良く、食欲が旺盛になる季節でもあります。又、秋は春と並ぶ行楽シーズンで、ハイキングや山登り、キノコ狩りなど野外での活動も多くなります。

中でもキノコ狩りは、秋を代表するレジャーと言えるでしょう。しかしながら、事故が多いのも事実です。特に毒キノコを食用と誤って食べてしまうことで引き起こされる食中毒は、実に多くの症例があります。近年も、毒キノコを食べたことによって、下痢や嘔吐に苦しめられたという例が多くあります。

では実際、どれくらいキノコ中毒が原因の下痢が起こっているのでしょうか?

キノコ中毒は毎年発生している

皆さんは毎年どのくらい毒キノコによる中毒被害が起こっているかご存じでしょうか?

平成26年から令和5年までの間に起きた毒キノコによる食中毒は、報告があったものだけで241件、患者数は633人、死者数3人となっています。もしかすると、しかるべき機関に報告がされていないだけで、実際はもっと多いのかもしれません。

中毒事例が多いツキヨタケ、ニガクリタケ、クサウラベニタケ

毒キノコを食べてしまう一番の原因は、食べられるキノコと外見がよく似ている、というものです。

実際、もっとも中毒事故が多いツキヨタケは、茶褐色のかさの色味や形が椎茸そっくりです。キノコが食用かどうかの判別が難しいことを知っている人でも、ツキヨタケとシイタケがそっくりすぎて、見間違えることもあるといいます。

しかも、同じ木の上にシイタケとツキヨタケが混じって生えることもあるのです。

滅多に死亡事故に繋がることはないようですが、嘔吐・腹痛・下痢と言う典型的な症状から、重症の場合、痙攣が起きることもあります。

また、ニガクリタケは食用のクリタケと非常に見た目が似ています。過去にはニガクリタケをクリタケと間違えて販売したスーパーもあったほどです。

クサウラベニタケは食用のカクミノシメジとよく似ています。秋田ではドクシメジなどとも呼ばれるほど、見た目がシメジによく似ています。自宅の庭で自生していたクサウラベニタケを調理して食べてしまい、食中毒を発症したというケースは何件も報告されています。

 

昔は食用と考えられていたスギヒラタケ

スギヒラタケは、キシメジ科スギヒラタケ属のきのこです。日本ではスギ、マツ等の針葉樹の切り株や倒木に主に8月から10月頃にかけて発生し、傘が2~6 cm程度の大きさの耳形又は扇形の白いきのこがいくつも重なり合って群れて生えるのが特徴です。

かつては、スギヒラタケは食べられるきのこと考えられていました。そのため、日本では栽培されていないものの、東北、北陸、中部地方を中心に野生のものが広く食べられていました。しかし、平成16年以降、それらの地域でスギヒラタケを食べたことが原因と考えられる病気(急性脳症:意識障害やけいれんが主な症状)が多数報告されるようになりました。

 

当初は、腎臓の機能が低下している人がスギヒラタケを食べると、急性脳症が起きるのではないかと考えられました。しかし、その後、腎臓の機能に異常が認められない場合でも、スギヒラタケを食べた後に病気を発症して死亡した事例が確認されました。そのため、厚生労働省は、(原因が究明されるまでの間、念のため、)腎臓の機能が低下していない方も含めた一般の方に対し、スギヒラタケの摂取を見合わせるよう注意喚起をしています。

 

平成16年以前に出された書籍やウェブサイト上の古い情報では、スギヒラタケは「食用きのこ」として紹介されています。また、平成16年以降の情報でも、スギヒラタケは腎臓に障害がある人の場合のみ注意が必要であり、健康な人では食べても心配ないとの誤解を与えるようなものがあります。今でも、野生のスギヒラタケの採り方や食べ方などを紹介しているものもあります。

 

腎臓の機能に異常がない人でも、スギヒラタケを食べると健康被害が生じる可能性があります。そのため、年齢や健康状態に関わらず、スギヒラタケはどの地域で採られたものであっても、また、どのような調理法であっても食べないでください。

万が一、スギヒラタケやスギヒラタケの可能性がある野生きのこを食べてしまい、脱力感やふらつきなど体調に異常を感じた場合には、直ちに医療機関でスギヒラタケと疑われるきのこを食べたことを伝えて診察を受けてください

 

食べ方によっては食用キノコも中毒になる

たとえ食用であってもキノコは絶対に生食してはいけません。

キノコを生で食べた時に起きる中毒があるのです。特に最近ではサラダなどにして食べて、アレルギー症状を起こす人が増えています。

症状は、食べた直後から1時間後、遅くとも4時間以内に見られます。

じんましんや紅斑(皮膚が赤くなること)、浮腫(むくみ)が一番多い症状ですが、咳、喘息発作、嘔吐、腹痛、下痢などが見られることもあります。

 

原則としてキノコはすべて加熱用食品です。唯一例外としてマッシュルームだけは生でも食べることができます。しかし、マッシュルーム自体は大丈夫でも、それにくっついてくる他の菌への感染なども考えられますので、やはり加熱して食べる方が安心です。

 

腸内環境を整える

食べたものは必ず胃腸を経由して消化吸収され、体の中に摂り込まれます。そのため、毒性のあるものを食べた時、一番ダメージを受けるのも腸です。

食べた物が有害なものであった場合、腸は体内を守るために一生懸命、有害なものを体の外に排出しようとします。それが下痢や嘔吐といった症状なのです。

その結果、腸内にせっかくいた有益な菌もなにもかも失うといったことが起こります。腸内環境が劇的に変わってしまうと、その後なかなか元に戻らず、下痢や軟便といった症状が長く続くこともあります。

こうした時、身体を元に戻す一番の近道は、腸内環境を元通り整えていくことです。そのためには腸から失われた有益な菌――善玉菌を、腸の中に再び取り込む必要があります。善玉菌は発酵食品をはじめとする食品から摂取できるほか、効率よく生きて腸まで届けてくれる善玉菌配合のサプリメントなどでも補給することができます。

特にサプリメントは場所を選ばず摂取でき、カロリーなども気にする必要がありませんので、体重を管理している方多忙な方でも生活に取り入れやすく、おすすめです。ぜひ一度試してみて、自分のおなかに合う菌をみつけ、腸活をスタートさせましょう。