下痢の原因はストレス、食べ物、環境、体質など人によって様々です。
人によっては下痢の原因がいくつも重なることもあります。そのため、なかなか下痢の原因が分からずに、長年苦しんでいる方もおられます。中には生活習慣など、日常の一部に原因が潜んでいることもあります。下痢になった、あるいは下痢が続いて困っている方は日常生活をよく観察してみましょう。
下痢の原因はフルーツに?
例えば下痢の原因として、果物があげられる場合があります。
フルーツは瑞々しく、多くはさっぱりしているので、朝食や食後のデザート、間食に人気があります。
これから夏となり暑くなってくると、南国原産のフルーツが旬をむかえ、口にする機会も多くなることでしょう。特にスイカは暑さのために食欲がない時でも食べやすく、水分もしっかり補給できる夏にぴったりのフルーツです。
しかしフルーツの種類によっては、食べ過ぎると下痢を引き起こしやすくなるものもあるので、お腹の弱い人は注意が必要です。
少量なら問題ありませんが、食べ過ぎると下痢を引き起こしやすいフルーツとして、次のようなものがあります。
桃・梨・さくらんぼ・プルーン
これらは、すべてバラ科の植物です。バラ科の植物には「ソルビトール」という糖が含まれています。このソルビトールには、お腹を緩くする作用があるため食べ過ぎると下痢を引き起こす場合があります。
ただし、桃には整腸作用のあるペクチンが含まれているので、下痢の時に少量食べるのは良いとされています。
またプルーンはよく便秘に良いと言われますが、これはソルビトールが豊富であることに加えて、食物繊維も多いためです。お腹の弱い人は避けた方がよいでしょう。
どうしても食べたいということでしたら、1日あたり2~3個程度までを心掛けてください。
スイカ
水分が多いため、夏場の水分補給におすすめの果物ですが、その分食べ過ぎるとお腹が冷えて下痢を起こすことがあります。
お腹が心配な時は避けたいフルーツ
<クエン酸の多いフルーツ>
イチゴ、キウイフルーツ、パイナップルなど、クエン酸の多いフルーツはお腹が弱い人やお腹の調子が気になる時には避けたほうが良いでしょう。クエン酸は腸を刺激しますので、下痢を起こしやすくなります。
<柑橘系のフルーツ>
柑橘系の果汁は、腸管への刺激が強いので、下痢を悪化させてしまうおそれがあります。みかんを多く食べた後、お腹が緩くなったという経験がある方もいるかと思います。
また、レモン、みかん、グレープフルーツをはじめとする柑橘系の果物は、美しくハリのある肌に必要で美白効果も期待でき、老化防止にもつながるビタミンCが豊富に含まれています。しかし、柑橘類に多く含まれるビタミンCやクエン酸は腸管を刺激して、腸の運動を活発化させます。柑橘系の果汁にもクエン酸などの有機酸が豊富に含まれていますので、あまり空腹時に摂ると酸で胃が荒れる原因にもなります。
りんごやバナナはおなかにいい?
リンゴはペクチンが豊富に含まれていて便秘にも下痢にも良いとされているフルーツです。便秘の時ペクチンは便に水分を取り込んで、かさを増やし、腸のぜん動運動を促進させると共に、下痢の時には便の余分な水分を吸収して便の硬さを調整する役割もあるからです。 ペクチンは皮と実の間にたくさん含まれているので便秘の時は皮ごと食べるのが良いとされていますが、下痢の時は皮をむいてすりおろしたものを食べるのがお腹のためにはよいでしょう。
バナナはお腹に優しそうなイメージがありますが、不溶性食物繊維が多いためどちらかというと便秘の時に食べたいフルーツです。下痢の時に食べるなら良く熟したものを食べるようにします。また、バナナは南国のフルーツですので身体を冷やす作用があります。寒い季節には控えた方がよいでしょう。
フルーツを食べる時のポイント
何でも食べ過ぎるのは体のためによくありません。今回取り上げた種類以外のフルーツでも食べ過ぎるとお腹を壊す可能性があるので、食べる時は適量を心がけるようにしてください。
また、生のフルーツに含まれている酵素は食べた物の消化を助けます。そのため、胃腸の弱い人は日頃から生のフルーツを食べるようにすると、消化が助けられて消化不良による下痢を予防する効果も期待できるようになります。
その際には食後ではなく食前か食間に食べることをおすすめします。食後に食べるよりも酵素のはたらきが活かされますし、食後に食べると糖が発酵して消化不良を起こし、下痢しやすくなる場合があるからです。
もちろんフルーツは新鮮なものを食べるようにしてください。生のフルーツは傷みやすく、誤って食べてしまうと食中毒による下痢を引き起こしてしまう場合もあるので注意しましょう。
腸内環境を整えるために
食べた物が原因で下痢が続くのは、腸内環境が非常に悪化している時です。腸内が正常ならば正しく免疫が働き、多少有害な物を食べたとしても腸内の豊富な細菌叢が対処してくれますので、下痢には至らないことが多いものです。
同じものを食べても下痢になる人、下痢にならない人の差は腸内環境の良し悪しと言っても過言ではないでしょう。
腸内環境を乳酸菌などが増えやすい環境へと導き、整えていくことで、下痢の改善は早くなります。また、おなかに問題がないという人も、さらに健全なおなかを手に入れることができます。
腸内環境を整えるには、朝食にヨーグルトや味噌汁といった発酵食品を一品加えるだけでも違います。
そうしたひと手間をかけるのが難しいという方は、サプリメントを利用するのもよいでしょう。
様々な腸内細菌が配合された、多種多様なサプリメントが多くの企業から販売されていますが、自分のお腹の善玉菌が増えていき、自分の菌が活躍出来る様なサプリメントが理想的です。
ぜひ、いろいろ試してみて、自分のおなかにぴったりのサプリメントをみつけたいですね。