脂肪便で下痢になる前に、食生活を見直そう!

下痢の原因は実に多種多様です。老若男女問わず、どんな人でも下痢になる可能性はありますが、中には慢性的な下痢に悩まされ、トイレから離れられないため生活に支障が出るような人もいます。

こうした深刻な慢性下痢の原因は一つではなく、往々にして様々な要因が重なって引き起こされているようです。

飽食の時代とも呼ばれる現代では、食の欧米化が叫ばれて久しく、昔ながらの日本食と比べると肉類や脂肪分が多い食生活の人が増えています。そのため、脂っこい料理というのが、下痢の原因としてあがるようになりました。

 

脂っこい料理の代表:豚の角煮

豚の角煮はとろとろの脂身が美味しい料理です。しかし、食べた後下痢になるから恐ろしくてあまり食べられないという人がいることも事実です。

豚の角煮はお腹の弱い人にとっては、とても下痢の原因になりやすいものです。豚の角煮のおいしい脂身。この脂身が下痢の原因となります。豚の角煮以外にも脂肪分の多い食品、天ぷらのような揚げ物全般、ドレッシング、生クリームといった調味料類を摂取しすぎると、健常者でも脂肪便という状態になり、下痢になると言われています。

脂肪便とは

脂っぽい食事の摂り過ぎによって出る、油っぽい便や白っぽい乳白色の便を「脂肪便」といいます。

脂肪便になる原因は、脂っこいものを大量摂取した時だけではなく、肝臓や膵臓の機能が低下している場合もあります。

肝臓で作られる胆汁という消化液の分泌が悪いと消化不良になり、結果脂肪便になります。消化器官の機能が低下することにより、本来消化されるべきものや糖分の吸収がうまくいかないことにより、そのまま便として流れてしまいます。胃の手術をおこなっている方も脂肪便になりやすいことがあります。胃の手術により胃のサイズが小さくなっていると注意が必要です。

胃のサイズが小さくなることにより、膵臓リパーゼの分泌が悪くなるので、胃の内容物が分解されにくくなり、結果、脂肪便になりやすくなります。

脂肪便から考えられる病気

  • 慢性膵炎

慢性膵炎とは、慢性的に膵臓の炎症が繰り返されることにより、正常だった組織が破壊され、膵臓が硬くなってしまった状態のことです。慢性膵炎になると、膵液の通り道である膵管が細くなったり、膵管の中に膵石ができたりして、膵液の流れが悪くなり痛みが生じるようにもなります。膵液リパーゼの分泌が低下すると、食事の吸収や消化がうまくいかなくなり、結果として脂肪便となります。

慢性膵炎の原因として多いのは飲酒です。そのほか、原因不明の突発性が多くみられます。

  • セリアック病

「自己免疫疾患」の一種で、小麦に含まれるグルテンが原因です。グルテンに対する免疫反応が引き金となり、腹痛、下痢、ガスなどの症状が現れます。

グルテンは、私たちがいつも食べている食事によく含まれています。うどんやラーメン、パスタなどの麺類、パンやケーキといった小麦製品です。

このセリアック病ですが、軽いものから重度のものまであり、重度になると脂肪便になります。また軽いものですと症状自体に気づかない場合もあります。

  • 吸収不良症候群

吸収不良症候群とはいったいどんな症状なのか。本来吸収されるべき栄養吸収が正常におこなわれずに、栄養障害になってしまう症状のことをいいます。この吸収不良症候群には、原発性続発性という2パターンあります。

原発性》吸収不良症候群とは、栄養吸収過程に障害があることをいいます。通常は、小腸に存在する膜消化により、栄養素が細胞内に取り込まれるわけですが、この膜消化が正常におこなわれないことにより、原発性吸収不良症候群になります。症状は、脂肪便、下痢、腹部の膨張感などがあります。

続発性》吸収不良症候群とは、腸の術後や肝臓、膵臓、胆道の病気などによる栄養吸収がうまくいかなかった場合など広く原因が存在します。症状は、むくみや皮下出血、体重減少や貧血などさまざまあります。

便に白い粘液が混じっている場合

通常の便ではなく、便に白い粘液が混じる場合、脂肪便の可能性が高いのですが、腸が傷ついている可能性も考えられます。

何らかの理由で腸が傷ついてしまうと、その傷を修復しようと体は粘液を出します。その粘液が便と一緒に流れてしまっていることが考えられます。傷の修復が完了すれば粘液も治まるので、便に白い粘液が混じることもなくなると思います。

 

幼児の便が白い場合

自分のお子さんが、ある日、突然白い便をしたら驚いてしまいますよね?

実はこの白い便には、悪性であるものとそうでないものがあります。幼児期である場合、乳製品の摂取頻度が多くなることにより、白い便が排出されることがあります。幼児が好んで食べたがる乳製品には、牛乳のほか、チーズやアイスクリーム、ヨーグルトなどがあります。ついつい食べ過ぎてしまうということがあるかもしれません。子供は乳製品だけではなく、脂っぽいものである唐揚げや天ぷら、揚げ物なども大好物です。大人であっても、好きな食べ物はついつい食べ過ぎてしまうもの。子供だったらなおさらです。

脂っぽいものも乳製品同様、食べすぎた際に脂肪便となり白い便が出る場合があります。幼児期のお子さんにこれらのものを食べすぎた覚えがないようであれば、白い便が排出されるのには、脂肪便である他に、ウイルス性による胃腸炎や肝臓の病気、その他の病気とも考えられます。

継続的に白い便が排出されるようであれば、一度病院での診察をおすすめします。 また、病院での診察の際に実際の白い便の写真などがあれば役に立つと思います。白い便と一口にいっても、全部白いのか、部分的に白いのか、形や粘度など様々です。写真があれば口頭で伝えるよりも、より鮮明に状態を伝えることができます。

 

脂肪便と考えられる病気は多々あります。慢性膵炎など他の病気の延長線上にあると考えてもおかしくない病気です。生活習慣を改善すればいいやとか、脂肪の多いものを控えようと考えるのもとても良いことですが、まず何が原因で脂肪便になってしまったのか、病院で診察してもらうことが大切です。

脂肪便は体の異常のサインです。思わぬ病気から脂肪便になっている可能性もありますので、病院はちょっと大げさ、面倒くさいと考えずに、一度医療機関でご相談されるのをおすすめします。

 

腸内環境の強化は下痢改善の一歩

ここまで見てきたように、食べ物の影響を最も受けるのが腸内環境です。腸内環境の良し悪しは、そのまま消化力、吸収力に直結しています。

良好な腸内環境であれば、食事に含まれる脂肪分が多少多かったとしても、激しい変化には見舞われません。これは腸内に多くいる腸内細菌たちが頑張って処理してくれるからです。

脂肪分の多い食事を続けていると、どうしても悪玉菌が増えやすくなり、便もおならも臭うようになります

これに対して、善玉菌が多い腸内環境の場合、便はそこまで強烈な臭いを発することなく、色も濃い茶色から茶色、黄色っぽい色へと変化します。

黄色っぽい色の便は、乳酸菌のような善玉菌が腸内でよく育っている証拠です。

理想的なバナナ状の便に善玉菌は欠かすことができません。

善玉菌は漬物や味噌、納豆といった発酵食品から補給できますが、たくさん量を食べなくてはいけなくなるため、非効率ともいえます。その点、おすすめなのがサプリメントです。

サプリメントはカロリーなどを気にせず、食事に足すだけで手軽に栄養を底上げしてくれます。何かと忙しい現代人にはまさにうってつけといえるでしょう。

サプリメントも色々な会社から様々な配合の商品が出ています。自分のおなかに合う商品が、きっとみつかるはずです。