その時の体調をはじめ、体質や食環境、年齢などによって下痢が起こる原因や症状は様々です。
下痢の原因は鶏の軟骨に・・・
年末年始は会食が多く催されるシーズンです。居酒屋などで、生ビールを楽しむ機会も増えてきます。ビールのおつまみとして鶏の軟骨の焼き鳥や唐揚げを食べる事もあるでしょう。
ですが、焼き鳥や唐揚げを食べると、お腹の調子が悪くなって、下痢をしてしまうという人もいるのではないでしょうか。
下痢の原因は、鶏の軟骨そのもの
食事をすると、食べ物が胃や十二指腸に運ばれて消化されますが、その際に胃液などの消化液や飲み物などの水分も一緒に取り込まれます。通常食べ物は時間をかけて消化され、大腸で水分が吸収されて食べカスとして便が作られます。
ところが、食べ物の消化が不十分で、大腸でも水分がきちんと吸収されないと下痢の原因となります。
軟骨を食べて下痢を起こす原因として考えられるのは、ずばり「咀嚼不足による消化不良」です。
軟骨はコリコリとした食感があり、噛み砕くのに顎の力がいる硬い食べ物です。噛んで細かくしたつもりでも、話しながら食べる、早食い、面倒だからビールで流し込むなどよく噛み砕いていないことが原因で、胃の中で十分に消化できず、下痢を引き起こすことがあります。
また、元から胃腸が弱かったり、食べ過ぎなどで胃が荒れていたりする人が軟骨を食べても、消化不良による下痢を起こす可能性が高まります。
下痢の原因が軟骨についた細菌
硬い軟骨を食べて消化不良で下痢になる場合のほかに、鶏の軟骨に付いていたカンピロバクターによる細菌性食中毒の可能性もあります。
鶏の軟骨が十分に加熱されていなかったり、調理過程の途中で二次汚染されたりすることが原因となり引き起こされます。
カンピロバクター・ジェジュニという細菌が軟骨に付着し、口から胃腸に入り、炎症などを起こして腹痛や激しい下痢などの症状を引き起こします。カンピロバクターが下痢の原因となっている場合、軟骨を食べた量が少量であり、お腹に入った菌の量が少なかったとしても発症してしまいます。それほど、強力な感染症なので注意が必要です。
下痢の原因となるカンピロバクターとは
カンピロバクターは、家畜の流産あるいは腸炎原因菌として獣医学分野で注目されていた菌で、ニワトリ、ウシ等の家きんや家畜をはじめ、ペット、野鳥、野生動物などあらゆる動物が保菌しています。
1970年代に下痢患者から本菌が検出され、ヒトに対する下痢原性が証明されました。その後、1978年に米国において飲料水を介して約2000人が感染した事例が発生し、世界的に注目されるようになりました。
カンピロバクターは17菌種6亜種3生物型(2005年現在)に分類されていますが、ヒトの下痢症から分離される菌種はカンピロバクター・ジェジュニがその95~99%を占め、その他カンピロバクター・コリなども下痢症に関与しています。
カンピロバクターは本菌に汚染された食品、飲料水の摂取や、動物との接触によってヒトに感染します。1000個程度と比較的少ない菌量を摂取することにより感染が成立することが知られています。
カンピロバクターに感染する症状は
症状については、主に下痢をはじめ、腹痛、発熱、悪心、嘔気、嘔吐、頭痛、悪寒、倦怠感などであり、他の感染型細菌性食中毒と酷似します。多くの患者は1週間で治癒し、通常、死亡例や重篤例はまれですが、若齢者・高齢者、その他抵抗力の弱い者は重症化の可能性が高いことに注意が必要です。また、潜伏時間が一般に2~5日間とやや長いことが特徴です。
また、カンピロバクターに感染した数週間後に、手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難などを起こす「ギラン・バレー症候群」を発症する場合があります。
カンピロバクターによる下痢を避けるには、充分加熱した食品を食べるようにしましょう。また不十分な殺菌による井戸水、湧水及び簡易水道水を感染源とした水系感染事例が発生していますので、生水などを安易に飲まない様に注意しましょう。
丈夫なおなかになるために腸内環境を整えよう
悪いものを食べても下痢をしない、強いおなかを作るには、なんといっても腸内環境です。というのも、「元気の元は胃腸」からと昔から言われている通り、健康な人は何を食べてもおなかの調子が整っています。 下痢も便秘もありません。多少体に悪い物を食べたり、飲んだりしても平気です。それは、腸内環境が整っているからです。腸内環境が整っている腸内では、消化吸収の能力が十分正常に働き、悪い物を排出したり、無害にしてくれるのです。
私たちは食べた物で身体が作られます。食べた物を十分に生かすためには腸内環境を整えなければなりません。
下痢の改善も、まずはしっかり腸内環境を整えるところから始まります。もちろん、普段の食事を見直すことも大事ですが、生活スタイルを変えるのはなかなか難しいことです。
そんな時は、サプリメント等、始めやすいアイテムから始めてみるのもおすすめです。