知っトク! 下痢になるかもしれない卵の調理法

下痢は赤ちゃんからお年寄りまで、誰でも起こる可能性のある症状です。

ウイルス性や細菌性の下痢のように、原因がはっきりしているものもありますが、それ以外の下痢は原因も改善方法も、人それぞれ違います。特に、その人の体質や食生活などで、下痢の原因は大いに異なってきます。

下痢の原因となる卵料理

卵料理といえば、どんな料理が好きですか?

食材一つとってもみても、調理法により消化時間が違ってくることは、ご存じでしょうか。消化時間が違えば、その分胃腸の負担も異なってきます。負担の増減によって、下痢になったりならなかったりするということです。

今回は、食卓の定番、卵料理について考えてみましょう。

良質なたんぱく質やビタミン、ミネラルなど人間に必要なあらゆる栄養素が含まれている卵は、多くの食品の中でも「最も完全に近い栄養食品」と呼ばれています。

しかし、その卵が下痢の原因となってしまう人も少なくないようです。

卵が下痢の原因となる理由

1.卵白不耐症

卵白不耐症は卵のうち、特に卵白に対する不耐症で、黄身に対する卵黄不耐症よりも多く一般的です。

卵はアトピーなどアレルギーの原因になりやすく、不耐症が原因による下痢は案外分かりにくいようです。食物不耐症と食品アレルギーは異なります。

食物不耐症とは、「非アレルギー性食物過敏症」ともいい、特定の食物を消化することが困難な病気です。

人は食べ物をエネルギーに変えるため、消化、吸収、分解・合成など一連の代謝を必要としますが、 この代謝に必要な「酵素」が食べ物ごとに決まっています。身近な例ですと、アルコールを分解するアルコール脱水素酵素(ADH)、脂肪酸を分解するホスホリパーゼ、 乳糖を分解するラクトースなどです。

しかし、これら食品の分解に必要な酵素がないと、その食べ物を摂取しても消化できないため、 下痢などの様々な症状が出てしまいます。

卵を食べると確実に下痢になるという方は、卵白不耐症かもしれませんので、卵を避けられることをおすすめします。

2.サルモネラ菌

卵の殻にはサルモネラ菌が付着していて、サルモネラ菌を意識しない調理、加工をした場合には、菌が増殖して食中毒的な下痢が発生する可能性があります。

しかし、よほど雑な扱いをしない限り、日本で卵のサルモネラ菌が下痢の原因になることはないようです。

3.消化にかかる時間

卵の消化時間は卵の調理の仕方によっても大きく変わってきます。

卵は、固まると卵白の消化率は上昇し、卵黄の消化率は下がります。卵の消化時間はおおよそ以下のようになっています。

1.半熟たまご(1時間半)

2.ゆで卵(2時間半)

3.生卵(2時間45分)

4.目玉焼き(3時間)

5.卵焼き(3時間15分)

生卵は卵黄と卵白に分れていますが、この二つが胃の中で結合すると、通常の消化吸収ができないほど強固な物質に変化します。そのため、吸収率は約60%程度にとどまります。

一方、加熱して半熟にすると卵白が固まり、卵黄と結合する力がなくなります。そのため胃に滞留する時間が短くなり、吸収率も96%まで上がると言われています。

卵焼きは油を使用するため、消化に時間がかかります。固ゆで卵は卵黄が固まり消化しづらくなるため、消化に時間がかかってしまいます。

これらのことを踏まえると、例えば半熟たまごだったら下痢をする事は少ないけど、「卵かけご飯」を食べると下痢をしやすかったり、目玉焼きや卵焼きを食べると下痢になるといった場合、 単純に消化時間の違いが下痢の原因として考えられるかもしれません。

卵は好きだけれど、下痢をしやすいと感じている人は、卵の調理法を踏まえて、おなかの様子をよく観察し、下痢の原因を探ってみるとよいでしょう。

消化器官に優しい生活をしよう

消化に時間がかかるといった、胃腸への負担が下痢の原因だと思われる方は、おなかを労わる生活――つまり、食べ物を食べる時には良く噛んで食べる脂っこいものは毎日のように食べないお酒を控えるといったことに気を配る必要があるでしょう。

とはいえ、大好きな料理を思いっきり食べるのがストレス解消!好きな料理は脂っこい料理!という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そういう方が体に悪いからと好物を食べるのを急にやめると、今度はそれがストレスになってしまい、結局心身の健康を保てなくなってしまう可能性もあります。

では、そうした人の場合、どうすればよいのでしょうか?

理想のおなかは消化力の強いおなか

理想的なのは、脂っこい料理や消化に時間がかかる料理であっても、どんどん消化できるだけの消化力を身につけることです。消化に良い料理を研究するのもいいですが、自身の消化力をあげる、ということも考えてみてください。

 

消化力の高さは腸内環境の状態に左右されます。腸内環境を健やかに保つ善玉菌のサプリメントや消化能力が上がるサプリメントなど、適宜利用されるのもおすすめです。