下痢の原因は善玉菌の減少

下痢の原因は腸内善玉菌の減少

慢性的な下痢に悩む人が増えています。
慢性的な下痢の原因の一つに腸内環境の悪化が挙げられています。腸内では腸内細菌達の闘いが毎日起きています。

この戦いに有利になる腸内細菌達によって腸内環境は左右されます。腸内善玉菌が減少すると下痢になりやすくなります。

では、腸内善玉菌が減少する理由から下痢の改善を考えてみましょう。

下痢になる人は腸内細菌の種類や菌数が少ない

慢性的な下痢の原因の一つに腸内細菌とのかかわりがある場合があります。

下痢の症状を訴える人の腸内環境は、健常児と比べて腸内細菌の種類や数が乏しいことがわかっています。

腸内環境は 下痢から心身の状態まで深く影響するといわれ、様々な病気の原因とさえなります。

現代人は乳酸菌や納豆菌など腸内善玉菌となる発酵食品の摂取量が少なすぎます。

時代の流れと共に食環境も随分と変化してきています。その結果、腸内や口腔内の環境が悪化して下痢や便秘、口臭、歯周病になったり、更に免疫が狂って、花粉症やアトピーなどのアレルギー症状をひどくさせたりすることが最近の研究でわかりました。

乳酸菌は味噌やヨーグルト、漬け物、納豆菌は大豆納豆などに含まれています。

人の健康に有益な効果をもたらす微生物です。しかし、今、非常に、この有益な微生物の摂取が少なくなってきています。

というのも、食生活の変化による原因が大きく関わっているのです。

ちなみに母乳栄養の方が人工栄養児に比べて病気に罹りにくいと知られていますが、その理由が腸内善玉菌など良い菌を多く持っているからではないかと言われています。

母乳栄養児の腸内細菌の中でビフィズス菌(腸内善玉菌)が92%占めるのに対して人工栄養児は19%となっているようです。 食品保存方法の変化で発酵食品が少なくなった

発酵食品の摂取量が少ない原因として、大きく二つの原因が考えられています。

①冷蔵庫の普及
その一つの要因として冷蔵庫の普及です。昔から食べ物を保存するために、善玉菌を利用する発酵という知恵がありました。

善玉菌で発酵をさせることで、悪玉菌による腐敗を防いでいたのです。戦後、冷蔵庫が普及し、生鮮食品を保存するのは冷蔵庫の役目となり、善玉菌を活用する場が少なくなりました。

味噌にも防腐剤を入れて、乳酸菌を殺し、冷蔵庫に入れるようになっています。また、食品の保存期間を長くするために保存料などの化学物質の使用は欠かせないものとなっています。

②添加物の普及
更に、加工食品、添加物の多い食品(インスタントラーメンやコンビニ食品ねど)、電子レンジ調理あげればきりがありませんが、このような食環境が腸内に棲む善玉菌を減らしているのです。

減らしているというよりもむしろ腸内の有益菌を摂取していないのが現状です。

毎日摂取する必要のあるものを、全く摂らない食生活をすると、必ず体は悲鳴を上げます。
こうして腸内環境が悪くなり、免疫力が低下し、下痢をはじめ様々な現代病が増え始めたのです。

③消毒殺菌の乱用
もう一つは消毒・殺菌剤の乱用です。
農薬と同じように善玉菌まで無差別に殺してしまいます。

必要な時にするだけでよいものが、「除菌しましょう」と清潔感溢れるがごとくに、何でもかんでも消毒殺菌しなければいけないような風潮にあおられています。

更にIH調理器具の普及も追い打ちをかけます。これではちょっとした悪い菌が体に入ると、あるいは善玉菌が少な過ぎて悪玉菌が多くなると、体の防衛反応として下痢がおきてしまうのです。

このような食環境を脱皮するには自分にあった善玉菌をたくさん摂取すること、そして殺さない事です。自分にあったサプリメントを利用する事は善玉菌を増やす最も簡単で有益な方法のひとつです。

腸内善玉菌が少ないと一体どのような症状が起こるのでしょうか

近年、テレビや雑誌などで腸の特集を見ることが多いです。腸内の環境が人の様々な健康をつかさどるという事が、最近になり分かってきたことがその理由です。

腸の中でもメインに取り上げられているのが「腸内細菌」です。では、腸内細菌、特に腸内善玉菌が少なかった場合、体にはどんな症状として現れるのでしょうか?

●人はそれぞれ腸内細菌の数や種類が違う

腸内細菌は人の見た目と同様に、人によって違い、その個々にある腸内環境で人の免疫力などの差が生れます。

腸内には約1000兆個の細菌が存在します。重さにして2㎏弱とも言われており、数百種類の細菌が腸内には住んでいます。

これらの腸内細菌が体の消化器官で消化し切れない大事な栄養素を分解、腸内細菌だけが作り出すことが出来るビタミンなどを作り出し、体に必要なエネルギーを供給しています。

腸は脳からの指令が無くても、体にとって様々な必要な作業を独立して行っています。

そして何より、病原から守る免疫機能をも司っています。

ですから腸内細菌が、特に善玉菌がどれだけ腸内で活躍しているかで、その人の持つ免疫力が異なります。

●腸内細菌の種類は大きく分けて善玉菌・日和見菌・悪玉菌

腸内には善玉菌・悪玉菌・日和見菌がいます。乳酸菌やビフィズス菌などに代表される善玉菌は食べ物を分解するほか、腸に集中している免疫力を活性化させるなど、健康に役立つ働きをします。

大腸菌やウェルシュ菌などの悪玉菌は、たんぱく質を腐敗させて毒素を発生するなど、病気のリスクを高めます。

しかし悪玉菌は、善玉菌が排除できなかった病原菌を撃退することもあります。

この二つに加えて、腸内細菌で一番多いのが日和見菌です。

日和見菌はその名前のとおり、腸内で善玉菌が優勢の場合は善玉菌の味方となり、悪玉菌が優勢の場合は悪玉菌を応援します。

そのため、悪玉菌が増えて腸内環境が悪化すると、日和見菌も悪玉菌の応援団となり、ますます腸内環境が悪くなるという悪循環に陥ってしまうのです。

腸内細菌は善玉菌:悪玉菌:日和見菌は2:1:7の割合となるのが理想的だといわれています。

バランスが良い腸内は善玉菌が多い・・きれいな腸は病気を寄せ付けない

バランスが悪い腸内は悪玉菌が多い・・様々な病気の元となる

3つに分類された腸内細菌は、主に4種類のグループ門の細菌群が住んでいます。
① 善 玉 菌:アクチノバクテリア門
② 悪 玉 菌:プロテオバクテリア門
③ 日和見菌:フィルミクテス門 / バクテロイデス門

●腸内バランスが崩れると様々な悪影響がある

腸内バランスが崩れると、私たちの体に与える影響にはどんなものがあるのでしょうか。

①肥満との関連

たくさん運動をしている、摂取カロリーを抑えている、なのに思うように体重が減らない、体脂肪が燃焼されない…減量中、こんな壁にぶつかったことがある方は多いのではないでしょうか。

そんな方は腸内細菌の種類が大いに関係しています。

成人の腸内細菌は「バクテロイデス門」と「フィルミクテス門」の二つの種類が優勢となっています。バクテロイデス門というのは善玉菌を好む日和見菌といわれています。

フィルミクテス門というのは発酵食品に含まれている菌や皮膚に常在している菌、土壌菌などです。

腸内細菌は食べ物を分解するときにさまざまな物質を排出します。バクテロイデス門の細菌が食べ物を分解すると排出される短鎖脂肪酸は、腸から吸収されて血液を通じて全身に届けられます。

この短鎖脂肪酸が脂肪細胞に働きかけると脂肪の取り込みが止まり、肥満を防いでくれるのです。

また、短鎖脂肪酸がたくさん発生すると、小腸から食欲を落とす効果があるとされる「インクレチン(GLP‐1)」というホルモンが出ます。
さらに、代謝アップや、最近は免疫機能との関わりも注目されています。

逆にフィルミクテス門の細菌は食事から取り込むエネルギー量が多く、そのため肥満に結びつきやすいといわれています。肥満の人ではフィルミクテス門の細菌が多く、バクテロイデス門の細菌が少ないことが明らかにされています。

どんなにストイックに頑張っていてもウェイトコントロールがうまく行かないという方は、腸内にこの、フィルミクテス門の細菌が増えている可能性があります。

このように、肥満の人と健康な人は腸内細菌の種類などが大きく異なります。

②下痢、がんや糖尿病、アレルギーに対しても影響を与える

病原菌やウイルスなどが体の中に入ったときに、身を守ろうとするのが免疫です。1日約5000個位生まれているといわれるがん細胞のほとんどが大腸で発生していますが、そのがん細胞を死滅させるのが免疫細胞です。

そんな重要な役割を担う免疫細胞の約70%は腸に存在しています。免疫の機能を万全な状態で働かせるためには、腸内環境が重要です。

悪玉菌は動物性のたんぱく質などをエサにして、硫化水素やインドール、スカトール、アンモニアといった毒素を作り出します。この毒素によって腸の消化・吸収力が低下すると、栄養素が全身にいきわたらなくなってしまいます。

また、悪玉菌が優勢で腸内環境が悪化すると便秘や下痢、便が臭うなど、体調に変化が現れます。反対に善玉菌が優勢だと、免疫細胞を活性化させてくれるのです。

また、クロストリジウム・アリアケ(アリアケ菌)という腸内細菌ががんを引き起こすことも明らかにされました。

アリアケ菌はDCAという物質を排出するのですが、このDCAは細胞を老化させる物質です。

老化した細胞が周囲に発がん性物質を出すことで、がん細胞が生まれてしまうのです。

③下痢は腸で作られる過剰なセロトニンが原因

精神の安定、幸せな気持ちをもたらすといわれている神経伝達物質の一つ、セロトニンの約90%は腸にあり、脳には約2%しかありません。

腸のセロトニンはそのまま脳に届くのではなく、セロトニンの前駆体が作られてそれが脳に届き、合成されてセロトニンになります。このとき、セロトニンの前駆体を作るために必要となるのが腸内細菌です。

脳がストレスを受けると腸の粘膜からセロトニンが分泌され、腸に存在するセロトニン受容体(セロトニンからの信号を受ける物質)と結合し、腸の運動を活発にします。

過敏性腸症候群で下痢を起こすひとはセロトニンが多くなり、この働きが過剰なものとなっていることが考えられています。

④クロストリジウム-ディフィシル菌が多くなり下痢菌が発生

アメリカではロストリジウム-ディフィシル感染症による患者数が増加し、毎年1万人以上が死亡していると推計されています。

クロストリジウム-ディフィシルは健康な人の腸内にも存在する細菌ですが、腸内善玉菌が少なくなり、腸内細菌のバランスが悪くなると、この菌の増殖を抑制することが困難になります。

すると増殖したクロストリウム-ディフィシルが毒素を産生し、下痢などを発症してしまいます。
日本でも2010年に埼玉県の病院で集団感染した例がありますので、私たちと無縁の話ではありません。

最近、「便移植療法」という治療法が脚光を浴びています。腸内細菌の乱れが原因と考えられる難病患者の腸内に、健康な人の便を移植することで、腸内フローラを健康なものに戻そうというものです。

もちろん便は適切に処理されたものを使用します。
日本では潰瘍性大腸炎など限られた疾病に対して、家族または配偶者の便を使用するなど厳密な規定のもとで臨床研究が進められています。

アメリカではすでに治療法として確立されており、クロストリジウム-ディフィシル感染症に関しては非常に高い治療効果が表れていると報告されています。

日本でも研究が進んで、新たな治療法として確立されることを期待したいものです。

下痢にならない為に腸内善玉菌を増やすには

私たちの普段の生活で、腸内善玉菌を増やすにはどうすればいいのでしょうか。
一番簡単にできることは、善玉菌が好むヨーグルトなど発酵食品とオリゴ糖、食物せんいを摂取することです。

しかし、単に、毎日ヨーグルトを食べていれば改善できるかと言えばそうではないのです。
総合的にバランスよく食事をしなければ、腸内環境の改善には結びつきにくいのです。

腸内善玉菌が少ないと感じる人は、発酵食品、オリゴ糖、食物せんいなどで腸内環境を整えましょう。
なかなか改善できないという人は腸内環境を整えるサプリメントを摂り入れみましょう。

早く改善できると、腸内環境のより良いサイクルが出来上がり、下痢が改善するなどより多くのメリットがあります。いずれにせよ自分で判断するには、便秘や下痢など便通の変化、便の臭い、肌の調子などがバロメーターです。

腸内環境を強化しよう

「元気の元は」胃腸からと昔から言われています。
私達の体は腸内細菌の働きのお陰で元気になっていると言っても過言ではありません。

腸内細菌のバランスが良いと、すべての体のサイクルが良好となり、健康を保つことが出来ます。
腸内環境を整えるサプリメントがありますので、上手に利用しましょう。