下痢の原因・肉類の食べ過ぎから酸性腐敗便
下痢になる原因は様々ですが、体内で発生する「酸性腐敗便」が原因で下痢をすることがあります。
「酸性腐敗便」とは、食べたものが腸内で腐り、強い酸性を示す便のことです。
特に肉類を食べ過ぎる、唐揚げなどを好んで毎日食べるなどの方は酸性腐敗便になりやすいのです。
目次
・酸性腐敗便で下痢をする理由 ①酸が壁を刺激 ②アミン(毒素)を排出するため
・下痢の原因の酸性腐敗便を防ぐ方法 ①悪玉菌のエサを減らすには ②悪玉菌を減らすには
・酸性腐敗便が下痢よりも怖いとき ・下痢は命を守る ・腸内環境を強化する
酸性腐敗便で下痢する理由
酸性腐敗便は、食べた物が腸の中で腐って強い酸性になった状態の便です。
食べた物が腐っているので、体は早く体外に排泄しようとするため、下痢になってしまうわけです。
具体的には何が下痢を引き起こすのでしょうか?
簡単に言えば、
①酸が腸壁を刺激する
②アミンを排泄するためという2つの理由が考えられます。
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①酸が腸壁を刺激する
実は腸内環境が良好で、善玉菌が優勢な時は、腸の中は常に弱酸性に保たれています。ちなみに、赤ちゃんの便はPH4.5~5.5(弱酸性)なので黄色です。
健康な大人はPH5.5~6.0で、黄土色をしています。
この酸が腸の壁を適度に刺激するので、蠕動運動が活発になり、便が正常に出ていくわけです。
しかし、酸性腐敗便になると、腸内はもっと酸性度が高く、ph5.5から高い時にはph2.5になることもあります。
こうなると腸壁は強い刺激を受けるため、蠕動運動が激しくなり過ぎて、下痢を引き起こすのです。
食事の質、量、食べ方や、消化器官の状態や能力等によって消化が十分に行えないと、腸内では食べ物が腐敗醗酵し、腐敗分解産物が多量に産生されます。
腐敗の程度が高くなると、硫化水素や硫酸塩、有機酸類などの悪臭を放つ強酸性物質が産生され、腸内が強く酸性化するのです。
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②アミンを排泄するため
通常、人間の胃腸は食べた物をきちんと消化吸収してしまい、食べかすしか残りません。
しかし、消化の悪いものを食べたり、食べ過ぎや胃腸の疲れなどが原因で、消化不良を起こすことがあります。
そうなると、十分に消化されなかった食べ物が、腸の中の悪玉菌のエサになって腐ってしまうのです。
最も酸性腐敗便の原因になる食べ物は肉や魚などのタンパク質です。通常、肉や魚などのタンパク質は、人間の消化液によって、アミノ酸に分解されます。
しかし、消化不良になった残りのタンパク質が悪玉菌に分解さると、二酸化炭素とアミンと呼ばれる有害な物質に分解されてしまいます。
揚げ物や脂の多い肉ばかり食べていると食べた物が十分に消化されないで、腐敗菌がどんどん増え、毒性の強いタンパク質由来のアミン類が発生し、身体に害を及ぼすのです。
腸内(特に大腸内)が強い酸性状態になると、タンパク質の分解物のアミノ酸類が腸内悪玉菌の持つ酵素の脱炭酸作用によって、強毒な「タンパク性アミン類」に変化します。
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アミンは血管を収縮・痙攣させる作用が強く、様々な細胞を傷つける有害な物質です。
有害物質アミンは、腸はもちろん体全体にも有害なため、早く体外に排泄するために、激しい蠕動運動が起きます。その結果、下痢を引き起こします。
下痢として体外に排泄されず、大量のアミンが腸から吸収されると、血液を通して全身に送られます。
このタンパク性アミン類は「交感神経類似作用」と呼ばれる激烈な血管収縮・けいれん作用や組織傷害作用による血行障害や酸血症などで、酸素欠乏が起こり、心臓、脳その他の機能が不能に陥ります。
心臓発作や脳卒中の原因になる可能性があります。
これらが多量に直腸付近から血液に吸収されると、一部は解毒器官である肝臓を通らず、皮下静脈を介して直接心臓へ行き、心筋梗塞や脳梗塞などによる発作と呼ばれる急性症状を起こします。
更にもっとひどい場合には、意識不明の昏睡状態に陥ることもある、命も失うなど、とても怖いものなのです。
もちろん普通はこのような症状が出る前に、下痢として排泄されてしまいます。
過度に心配することはありませんが、それでも、酸性腐敗便はとても危険だと認識しましょう。
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下痢を起こす酸性腐敗便を防ぐ方法
食べた物が酸性腐敗便になってしまうのを防ぐ方法は簡単です。
①悪玉菌のエサを減らす
②悪玉菌自体を減らすことです。
①悪玉菌のエサを減らすには
・肉類を食べ過ぎない
一番良いのは、肉類を食べ過ぎないことです。
肉類は食べ物の中でも、最も消化が悪いものの1つです。
そのため、すぐに消化不良を引き起こし酸性腐敗便の原因になってしまいます。
実はタンパク質の適正な摂取量は、大人20gで十分です。
これを肉や魚の量に換算すると、100g~140gも食べれば十分なのです。実際に日本人の肉の消費量は、1日平均75gです。
それ以外に必要なタンパク質は、乳製品や大豆製品などで取っているので十分なのです。
焼き肉やバーベキューなどで、一気に肉を食べ過ぎないように注意しましょう。
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②悪玉菌自体を減らすには
・腸内環境を良好に保つ
腸内には善玉菌、悪玉菌、日和見菌が存在します。
その割合は2:1:7ですが悪玉菌と善玉菌の割合が逆転すると、つまり悪玉菌が多くなると日和見菌が悪玉菌を加勢します。
すると腸内全体は悪玉菌が圧倒的に多くなります。
普段から腸内環境を良好に保って、善玉菌が多く、悪玉菌が少ない腸内環境にしておきましょう。
腸内環境を改善するために有効な食事は、食物繊維やオリゴ糖が豊富な食材を多く食べることです。
腸内環境が良いからと言って、油断して肉をたくさん食べるのは止めましょう。
肉を食べ過ぎると、すぐに腸内環境は悪化してしまいます。
一度くらいは肉を食べ過ぎても大丈夫ですが、食事は和食中心のバランスよい食事を心掛けましょう。
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酸性腐敗便が下痢よりも怖い時
体の機能が正常であれば、消化不良によってたくさんの腐敗産物産が生じたとしても、下痢が自然と生じ、自分の健康・生命を守るために、毒性の強い腐敗産物を一刻も速く体の外に出そうとするのです。
このように健康や生命が守られるように人間の体はうまく作られています。
しかし、下痢便をすみやかに体外に排泄できないような状態になった時に、命にかかわる重大なことが生じかねません。
例えば、酸性腐敗物質がたくさん発生していると、毒性の強い極めて多量のタンパク性アミン類が血液中に吸収され、血管の収縮・痙攣作用が強くなり、心臓発作と脳卒中の発作はトイレや便意を催してトイレに行こうとして立ちあがった途端に起ることが多いと分かっています。
また、十分量の酸性腐敗便が排泄できず、腸内でタンパク性アミン類の吸収が進んでしまった場合には、昏睡状態に陥ってしまう事態が発生します。
そして、意識が失われてしまうと、糞便の排出は極めて困難となり、さらに深刻な事態へと陥ることとなることが起こるのです。
このような酸性腐敗便は悪臭を放つ下痢便ですので、将来深刻な病気にならないためにも自分の食べる物や腸内の環境をしっかり見直すことが大切です。
腸内の環境を整えるのに必要なサプリメントは腸内で酸性腐敗物質をつくらないよう応援します。
下痢は命を守る
下痢は悪いものを早く出そうとする自然現象だから、便秘よりも良いのですが、下痢が長く続く場合、体にはそれなりのダメージがあるものです。
下痢が続いて、すぐには他の症状は起らないとしても、体の中に潜んで、新たな病気をつくるもとになることがあるのです。
成人で、朝、昼、晩の3食をお腹が十分一杯になるまで摂ると、その摂った栄養の7割ほどは垂れ流しにされているとも言われています。
実際、糞便中に消化吸収し切れない栄養分がかなり残存していることは、次のような諸事実からも明らかです。
東南アジアの一地域では、池あるいは海の上にトイレがあって、排泄物が落ちてゆくと争って小魚がこれを食べに集まってきます。
しかし、下痢便(酸性腐敗便)の際には、小魚たちは蜘蛛の子を散らすようにパァーッと逃げ散って、しばらくは集まって来なくなることからも、酸性腐敗便中にはかなり有害な物質が多量に産生されていることを窺い知ることができます。
また、例えば、乳児の場合には、自らトイレに行けないので、通常オムツを着用しています。
そのため、排泄された糞便はオムツの中に漏れ出て、皮膚に直接接することになります。
ことにその便が下痢便の場合には、それに接した部位の皮膚が非常に強く傷害を受けて赤く腫れあがり、いわゆる高度の“おむつかぶれ”を生じ、赤ん坊はその傷害による痛みが原因で激しく泣きじゃくることが起きます。
下痢はそもそも、高度の消化不良から多量の酸性腐敗産物を生じた際に、その害から逃れるために速やかな対外排出を図ろうとする、体に元来備わった防衛機能の一つと考えられるものです。
つまり体の機能が正常であれば腸内で発生した大量の酸性腐敗物質は下痢として体外に排出され、健康や生命が守られるようになっているのです。
逆に下痢便を速やかに体外へ排出出来ないと健康や生命が損なわれるのです。
心臓発作と脳卒中の発作はトイレや便意を催してトイレに行こうと立ちあがった途端に起ることが多いと言われています。
これは酸性腐敗物質の有毒成分が解毒器官である肝臓を通らず、直接心臓に行くので起る現象ではないかと言われています。
下痢が続いて悩んでいる方は有毒物質を早く体外へ追い出そうと敏感に感じ取る体質なのですから、人よりもよい体質をしているのです。
病気を早めにキャッチできるセンサーを持ち合わせている方なのです。
下痢の方は、酸性腐敗物質を腸内で造らないようにすること重要ですので、 たんぱく質の摂り過ぎ、食べ過ぎ、飲み過ぎ、消化に悪い物を極力避けるようにしましょう。
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腸内環境意を強化する
「元気の元は胃腸から」と昔から言われています。腸内環境の良好な人は、腸内の免疫力が高く、病気を寄せ付けません。
日頃から腸内環境を良好にする食事や生活環境を整えていきましょう。
腸内環境を正常にする乳酸菌・納豆菌を補う事は腸内善玉菌を優勢にする、消化力を高める、腸内をきれいにするなど下痢解消の早道になります。