下痢の原因・抗菌薬

下痢の原因・薬による下痢
病気になると薬を飲み、病気が回復します。

しかし時には薬による副作用で不快な症状が現れることがあります。
薬そのものが下痢の原因となるのです。

ではどんな病気で飲む薬が下痢の原因となるのでしょう。

薬の副作用で下痢が起こる

薬の副作用で下痢が起こることがあります。

下痢の症状が出てしまう薬や治療には
①抗菌薬 ②抗がん剤 ③免疫抑制薬 ④一部の代謝拮抗剤 ⑤一部の消化器用薬 ⑥痛風発作予防薬 ⑦放射線治療などがあります。

ここでは一般的に投薬されてる抗菌薬について考えてみましょう。


目次
抗菌薬で起こる下痢  下痢が起こる理由  悪玉菌が出す毒素  腸内細菌のバランス  抗生物資の影響で下痢はいつまで続く? 薬を止めても下痢が止まらない  腸内環境を強化しよう

①抗菌薬(抗生物質)で起こる下痢

病院で処方された抗生物質を飲んでいたら、下痢が起きてしまったという経験を持っている方は多いでしょう。

その薬を止めると自然と下痢は治っていきます。
おなかの弱い方、食事のバランスが悪い方は下痢が回復しない場合もあります。

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●抗菌薬(抗生物質)で下痢が起こる理由

人間の腸内にはもともと善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類の腸内細菌が存在し、この腸内細菌のバランスが腸の機能を正常に保つことに密接に関わっています。

抗生物質は体に侵入した菌を倒すことが目的ですが、その時に、腸内にいる他の細菌も一緒に倒してしまうことがあります。

結果、腸内細菌のバランスが崩れ、悪玉菌が優勢となる「菌交代」といわれる現象が起こります。

つまり悪玉菌が優勢になると日和見菌は悪玉菌を応援してしまうので、腸内環境は非常に悪化します。

菌交代によって増殖する菌の中には、異常に増えると毒素を放出する悪玉菌がいます。

悪玉菌の毒素によって腸の粘膜が傷つくと、ひざを擦りむいた時のように、体液がしみ出すようになります。

腸管の中に水分が増えると、便も水っぽくなるため、下痢が起きてしまうのです。
また、薬により腸が炎症を起こすと消化機能が低下します。

食べたものを消化しきれなくなると、消化物の浸透圧(水を引き寄せる力)が高くなり、腸管外から水分を引き寄せてしまいます。それによっても下痢を起こすことになります。
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☆悪玉菌の出す毒素

悪玉菌は腸内を腐敗させ、ガスの発生を促し、細菌毒素、有害物質を作り出します。

悪玉菌の中でも、代表的な細菌として知られているのが「ウェルシュ菌」です。

その他大腸菌、黄色ブドウ球菌などがあります。

・ウエルッシュ菌
このウェルシュ菌ですが、自然界に広く分布している細菌としても知られています。

熱への耐性が強く、他の細菌が死滅する温度でもウェルシュ菌だけは生き残るような、非常に生命力が強い特徴を持つことでも有名です。

ウェルシュ菌が多くなり、毒素を産生させると、下痢をはじめ食中毒やガス壊疽といった危険な症状に見舞われる可能性があります。

・大腸菌(毒性株)
腸内に生息するほとんどの大腸菌は無害とされていますが、O157などの毒素を排出する大腸菌は腸管を傷つけたり、食中毒を引き起こすなど大変危険です。

これらの毒素を出す大腸菌は悪玉菌として分類されています。

・黄色ブドウ球菌
非常にありふれた菌で弱毒性なので基本的には問題の無い菌とされています。

しかし体調が悪くて免疫力が低下している時などに悪さをすることがあります。

思わぬ大きな影響を体に与えることがあるので、決して油断はできません。
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☆腸内細菌のバランス

3つの腸内細菌を紹介してきましたが、最適なバランスがあります。バランス比率でいうと次の通りです。

腸内細菌は善玉菌:2、悪玉菌:1、日和見菌:7が理想的な割合です。

最適なバランスとして悪玉菌は最も少ないのですが、悪玉菌が増えると日和見菌は悪玉菌を加勢して悪さをします。

悪玉菌は0にはなりません。生まれたての赤ん坊でない限り、腸内環境としてありえない状態です。

悪玉菌も人間にとっては必要な菌ですので、悪玉菌が善玉菌より増えないようにすることがとても重要です。
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●抗生物質による下痢はいつまで続く

抗生物質による下痢がいつまで続くのか?

ということですが、抗生物質の薬を止めると下痢は自然と治まります。

しかし、どれくらいで死滅した腸内細菌がもとに戻るのかは、人によりますが少なくとも数週間くらいはかかることが予想されます。

単に抗生物質を飲み終えたりやめたりしたからすぐ戻るというわけではありません。

下痢が治まっても、腸内環境は正常に戻っていませんので、消化の悪い物や刺激物、油分の多いものは避けましょう。

下痢が治ったからと言って、自分の好きなもの(消化の悪い物)を食べると、今度は消化不良による下痢になってしまいます。しばらくは腸が喜ぶ食事だけにしましょう。
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・抗生物質を止めて腸内細菌が元に戻るには

抗生物質による下痢の対処法は通常の下痢よりもデリケートです。

抗生物質による下痢を発症した時の対処法は、当然ですがまず「抗生物質の服用をやめること」です。

そして次に考えるべき対処法は減ってしまった腸内細菌を増やすことです。

ではどのようにして腸内細菌を増やしていけば良いのでしょうか?まずは腸が喜ぶ食事、発酵食品を積極的に摂り入れましょう。

発酵食品が体にもたらすメリットとしては、おもに次のようなことが挙げられます。

①体内酵素の無駄遣いを防止する
発酵食品は、微生物の働きによってある程度消化されています。

つまり、体内に入る時点ですでに消化の下準備が整えられているため、人間の体内に入ってからの消化に必要な、エネルギーや消化酵素が少量で済むのです。

発酵食品をとることで体内の酵素を無駄遣いせず、健康な体を作ることができます。

②腸内環境を整え、免疫力を高める
腸内環境と免疫力は、密接な関係にあるといわれています。

というのも、腸には体内の免疫細胞のうちのおよそ6割~7割が集中しています。

この免疫細胞を活性化させることが、外部からの病原体と戦う免疫力の向上にもつながるのです。

発酵食品には、乳酸菌をはじめ、腐敗物質の増加を抑制する善玉菌が豊富に含まれています。

善玉菌には、外から入ってくる病原体の侵入を防ぐ免疫細胞を活性化させる働きもあるため、発酵食品を積極的にとることは、腸内環境を整えながら免疫力を高めて病気を予防する効果が期待できるのです。

特に納豆菌は腸内にいる善玉菌を増やしますので、大豆納豆や納豆菌のサプリメントを積極的に摂り入れると腸内環境の改善が早くなります。
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●抗生物質を止めても下痢が止まらない

抗生物質で下痢なる人は抗生物質の服用をやめると、自然と下痢はおさまります。

抗生物質を服用しきっているのに下痢が止まらなかったり、だんだんひどくなったりするようであれば別の原因が隠れている場合があります。

例えば、以下のような症状がみられたときは感染症などにかかっている可能性も考えられます。

下痢に伴い発熱、吐き気、嘔吐、血便、腹痛などがある場合はノロウイルスや偽膜性腸炎などの場合もかもしれません。

自己判断で対処しようとせず、早めに医療機関を受診して原因を特定しましょう。
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腸内環境を強化しよう

「元気の元は胃腸から」と昔から言われています。

腸内環境が悪化すると、様々な生活習慣病の原因となります。

腸内環境の悪化の原因は悪玉菌が増えてしまうことです。

悪玉菌が増える原因としては、薬や食生活の乱れ、生活習慣の乱れ、自律神経の乱れ、ストレスなどがあります。

悪玉菌は未消化のタンパク質を分解・腐敗させて、有害物質をつくりだします。

これらの有害物質が便秘や下痢、肌荒れの原因になります。

腸内環境を整える食事、あるいは腸内環境を整えるサプリメントを利用すると下痢の改善は一段と早くなります。