下痢の原因・一晩寝かせたカレー
下痢の原因は様々ですが、日々調理をする時の心構えで、下痢にならない様にすることが出来ます。
逆を言えば、つい大丈夫だろうという過信から下痢の原因をつくる可能性はあるのです。
例えば、多くの人が大好きなカレーの例を考えてみましょう。
目次
・下痢の原因は一晩寝かせたカレー ・下痢の原因となるウエルッシュ菌とは ・100℃になっても死なないウエルッシュ菌 ・嘔吐毒出す菌 ・腸内環境を強化しよう
下痢の原因は夏でも冬でも一晩寝かせたカレーから
カレーは日本人が大好きな料理の一つです。
作ったカレーを、そのまま室温で置いているご家庭も多いことと思います。
しかし、このカレーは一度しっかり煮込んだから大丈夫と過信しがちです。
夏はもとより冬でも、一晩寝かせたカレーでは、食中毒が起こりやすくなるリスクがあります。では、一晩寝かせたカレーは、なぜ危ないのでしょうか?
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大量に作る事の危険
カレーは大量に作ることが多い料理です。一度にたくさん作って「2日目のカレー」を楽しみにしている方も多く、全部を食べきらずに鍋のまま室温で置いておくご家庭も多いことでしょう。
しかし、実はそんな「一晩寝かせたカレー」で悲しい食中毒事件が起こりやすくなっているのです。
実は、作った時にしっかり加熱していても生き残ってしまう菌がおり、保存している間にその菌が増殖してしまうのです。
それはしっかり煮込んでも生き残るウエルッシュ菌です。
下痢の原因となるウエルッシュ菌とは
食中毒予防の3原則は「つけない・ふやさない・やっつける」です。
カレーを作る際に、ほかの食材や調理する人から菌が「つかない」様に衛生に注意して料理をします。
カレーをしっかり高温で煮込むことで、菌を「やっつける」こともできています。
ところが「一晩寝かせたカレー」は「ふやさない」の部分が抜け落ちてしまいます。
その原因となるのが「ウェルシュ菌」という細菌です。煮込んでも生き残る「ウェルシュ菌」なのです。
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①ウェルシュ菌は100度になっても死なない
ウェルシュ菌は、自然界に幅広く生息している細菌で、カレーの材料になる肉や魚介類、野菜に付着しています。
またカレーは大量に加熱調理されることが多い上に、室温で数時間放置されることが多いという点が菌を繁殖させてしまうのです。
空気を嫌う性質があるため、カレーやシチューの鍋底のような酸素が少ない環境で増殖します。
また、硬い殻を持った「芽胞(がほう)」を作るのですが、この芽胞は通常の状態の菌とは違い高温に強く、100度で数時間加熱しても死なないため、カレーの鍋の中で長時間煮込まれても生き残るのです。
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②ウェルシュ菌は温度が下がると増殖し始める
この「芽胞」のままであれば人体に被害を起こすことはなく、増殖もしません。
しかし、いったん加熱した後、ウェルシュ菌が好む室温くらいまで鍋の中の温度が下がると、「発芽」して菌が目を覚ますことで急速に増殖を始めます。
これが「一晩寝かせたカレー」で食中毒が起こる元凶になるのです。
「一般的に菌は熱に弱いとされていますが、中には熱抵抗性が強い菌もあり、ウェルシュ菌もそのタイプです。
ウェルシュ菌は『芽胞』(がほう、細菌の胞子のようなもの)をつくり、この芽胞は熱に強くて100℃で1時間加熱しても生き残ります。
そしてカレーが50℃前後に冷めると芽胞が芽を出して繁殖を始めます。
加熱調理されたカレーをそのまま放置すると、今の時期はなかなか冷めないので、ウェルシュ菌が繁殖する至適温度(43~45℃)や増殖可能な温度帯(12℃~50℃)が長く保たれます。
特に至適温度下(最適な温度)では、死滅しなかった菌が爆発的に増殖するのです。
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③ウエルッシュ菌はエンテロキシン毒素を作る
体内に入ったウェルシュ菌は、腸管内で増殖して芽胞をつくりますが、芽胞をつくるときにエンテロトキシンという毒素をつくります。
その毒素によって、下痢や腹痛といった食中毒特有の症状が現れるのです。
ウェルシュ菌は10時間後くらいから発病します。症状としては、ウェルシュ菌で汚染された料理を食べてから約6~18時間(平均10時間)後に、腹痛、下痢などの腹部症状が起こります。
カレーの保存方法・加熱方法
カレーに限らず、食中毒予防のためには「料理ができたらすぐ食べる」が鉄則ですが、カレーは大量に煮込んで作り、翌日以降に食べることも多い料理です。
そこで、翌日以降までカレーを保存したい場合は、ウェルシュ菌が繁殖しやすい20~50度程度の温度帯になる室温で長時間放置しないように、できるだけすばやく粗熱を取って、
1回で食べきれる分ずつ厚みの少ない容器などに小分けにし、冷蔵庫(翌日食べるのであれば冷蔵でもOK)や冷凍保存しましょう。
たとえ真冬でも、最近の住宅は暖房などで部屋の温度が下がりきらないこともあり、室温での長時間保存は禁物です。
家庭で調理したカレーの場合、冷凍保存の場合でも1週間以内には食べ切って。
冷凍保存したカレーも、必ず食べる直前に鍋に移してかき混ぜながら、しっかり中心部まで再加熱して熱いうちに食べるようにしましょう。
予め鍋に牛乳などを温めておいて、そこで溶かすようにして加熱すると焦がさず上手に温められます。
カレーの場合、匂いや色の変化がわかりにくく腐敗に気づかないので、冷凍保存してあっても食べる時には注意して下さい。
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ウェルシュ菌はカレーだけでない
ウェルシュ菌はカレーだけでなく、スープやシチューなどすべての煮込み料理でリスクがあります。再加熱には充分中まで火が通る様に、しっかり加熱しましょう。
また一度にたくさん作る時は、食べる分だけカレーのルーを入れるのも一つの方法です。
鍋の具材がサラサラして、粘りがないため空気が入りやすく、ウエルッシュ菌の繁殖を防ぐことが出来ます。
加熱する際にも焦げ付かなくて済みます。
下痢の原因となる加熱しても死なない他の菌類
ウェルシュ菌以外にも、加熱しても死滅しない菌にセレウス菌、ボツリヌス菌があります。調理の際は「加熱したから大丈夫」と過信しないようにして下さい。
①下痢の原因となるセレウス菌とは
セレウス菌は、土壌細菌のひとつで、土壌・水・ほこり等の自然環境や農畜水産物等に広く分布しています。
食品を汚染することが多く、特に穀類、豆類、香辛料などはセレウス菌に汚染されていることが多いと言われています。
熱に強い殻(芽胞)をつくることが特徴で、この芽胞は100℃で30分加熱にも耐え、増殖する際に毒素を出します。増殖に最適な温度は28〜35℃です。
●セレウス菌は嘔吐毒をだす
セレウス菌はセレウリドと呼ばれる嘔吐毒を作ります。
嘔吐毒は食品中でつくられ、食品と共にこの毒素を摂取することで食中毒が発生します。
嘔吐毒は熱や酸、消化酵素に強く、体内では分解されません。
セレウス菌による食中毒は、通常、人から人へは感染しません。
なお、免疫が抑制された人では、セレウス菌は・吐き気、下痢、腹痛、菌血症、心内膜炎、髄膜炎、肺炎を起こすことがあるので注意が必要です。
嘔吐型で3は平均2時間~3時間、下痢型は8時間~16時間で発病します。
セレウス菌が繁殖する食品は米飯及び焼き飯等米飯の加工品、スパゲティ、肉類、スープ類、焼きそば、プリンなどがあります。
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②ボツリヌス菌
ボツリヌス菌はボツリヌス菌は、自然界でもっとも強い神経毒を産みだす、恐ろしい細菌です。
ボツリヌス菌は私たちの周りの土の中 や泥の中に沢山生息し、芽胞と呼ばれる状態でいます。
この芽胞の状態は、ボツリヌス菌にとっては休眠状態であり、活動することはできませんが、長い期間を耐え抜くことができます。
そして、ボツリヌス菌は発育に適した環境になると、芽胞から芽を出し活動を開始するのです。
実はボツリヌス菌は空気に弱い嫌気性細菌です。そのため、空気に触れている間は活動しません。
●ボツリヌス菌は自然界で最も強いボツリヌス毒素を出す
ボツリヌス菌が発育するのは、空気に触れていない密閉された空間、ボツリヌス菌が生きるために必要な水分、栄養素がある、という3つの条件が合わさった場合に限定されます。
この3つの条件が合致した時に、ボツリヌス菌は、自然界でもっとも強いと言われているボツリヌス毒素を産み出しながら発育するのです。
●ボツリヌス菌食中毒は早めの処置を
インフルエンザA型もインフルエンザの中では最強の分類ですが、自然細菌としてはボツリヌス菌が最強です。
ボツリヌス毒素の毒性は強力で、自然界では1番強いと言われており、過去には、そのあまりの強さから化学兵器として利用されていたこともありました。
ボツリヌス毒素を食べると、神経系統に作用し筋肉を弛緩させ最悪の場合呼吸ができなくなって死亡する場合もあります。
普通の食中毒とは違うので、放置せず早めに処置しましょう。
ボツリヌス菌による食中毒の症状には、下痢、嘔吐、腹痛と合わせて、物が二重に見え始る、ろれつが回らなくなる、口が上手く動かせなくなる、
四肢の動きが肩、手、足と段々と動かし難くなり移動が困難になる、といった症状が現れます。
そして、更に時間が経過すると、体の深部にある呼吸関連の筋肉にも麻痺が広がり、呼吸が止まってしまうこともあるのです。
●ボツリヌス毒素が繁殖する食品
ボツリヌス毒素は、恐ろしい毒素ですが、実は加熱することで無害化させることができるので、何らかの理由でボツリヌス菌が含まれることが疑われる食品を食べる際には加熱するのが良いでしょう。
ボツリヌス菌は、細菌性食中毒とは異なり、高温多湿の環境で発生する訳ではなく一年を通じて発生しています。
国内で発生した件数も多くなく、季節と発生件数の関係について詳しくわからないです。
過去、国内で発生したボツリヌス菌による食中毒は、井戸水、アユのいずし、あずきばっとう、ハチミツ、などがあります。
原因の食材も季節もバラバラとなっています。このことからボツリヌス菌による食中毒と季節との関連性は低いと考えられています。
乳児ボツリヌス症の予防のため、1歳未満の乳児には、ボツリヌス菌の芽胞に汚染される可能性のある蜂蜜を食べさせるのは避けてください。
乳児が蜂蜜を食べて死亡した例もあります。
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腸内環境を整えよう
「元気の元は胃腸から」と昔から言われています。腸内環境の良し悪しで、下痢になる人、病下痢にならない人が決まります。
実際、同じものを食べても下痢になら人は腸内環境が非常に良い人です。
悪い物を食べても腸内で有害菌が繁殖せず、速やかに体外に排出できるからです。