下痢の原因はジャガイモの芽
下痢の原因は身近な食べ物の中にも原因があります。例えば、ジャガイモの例を考えてみましょう。ジャガイモは美味しい食材です。どんな料理でも相性がよく、主食にもなります。
ジャガイモは古くなると芽が出たり、光があたってジャガイモ全体が緑色なります。そんなジャガイモをみかけることはありませんか?ではジャガイモの何が下痢の原因となるのでしょうか?
ジャガイモで下痢になる
ジャガイモの芽が出たり光に当たって緑色になった部分には、天然毒素であるグリコアルカロイド(以前はソラニンやチャコニンと呼ぶ)が多く含まれています。また、家庭菜園などで作られた未熟で小さいジャガイモは、全体にソラニンやチャコニンを多く含んでいることもあります。
グリコアルカロイドを多く含むジャガイモを食べると、吐き気や下痢、おう吐、腹痛、頭痛、めまいなどの症状が出ることがあります。ジャガイモを食べたあとにこのような症状が出たときは、急いでお医者さんにみてもらいましょう。
グリコアルカロイドには苦味を伴うエグミがあって、食べればすぐに分かります。致死量を摂取する可能性が極めて低いのですが、過去に実際何例かの死亡事故は起きています。健康な大人であれば、少しくらい食べてもお腹をこわしもしませんが、体調が悪い時や、たくさん食べるとお腹をこわします。もちろん老人や子供の場合、お腹をこわす確率が、健康な大人より高いので注意しましょう。
グリコアルカロイド(ソラニン)とは
ジャガイモ(いも部分:塊茎)には、グリコアルカロイドが100 gあたり平均7.5 mg(0.0075 g)含まれており、そのうち3~8割が皮の周辺にあります。
ジャガイモに光が当たったり、傷がついたりすると、グリコアルカロイドの量が増えます。光に当たって緑色になった皮の部分には、100 gあたり100 mg(0.1 g)以上のグリコアルカロイドが含まれているといわれています。グリコアルカロイドは、ジャガイモの芽に一番多く含まれ、葉、茎、花、果実、根にも含まれています。
体重が50 kgの人の場合、グリコアルカロイドを50 mg(0.05 g)摂取すると症状が出る可能性があり、150 mg~300 mg(0.15 g~0.3 g)摂取すると死ぬ可能性があります。ジャガイモの食中毒を防ぐには、グリコアルカロイドを多く含む芽や緑色の部分を十分取り除くことが大切です。
たとえ、グリコアルカロイドのジャガイモを食べたとしても、人間の老廃物処理器官は、通常の食べ方を続けているかぎり、うまく処理してくれます。致死量は成人体重1kg当り3ないし5mgであり、成人が食べて中毒を起こすのは200~400mg、小児では影響強く中毒量経口15.6~40mgと言われています。人は苦みに敏感なので現実にはそんなに死ぬほど食べられません。ある人の計算によると、体重50㎏の人が「メークイン」を中毒をおこすほど食べるには一度に2.5kg食べる必要があるそうです。
ジャガイモの毒、グリコアルカロイド中毒事例
グリコアルカロイドは、表皮が緑になっているものとか、目(くぼみ)から伸びた新芽の基部に多い。グリコアルカロイドを含むと通常エグミが強いので、口に入れるとすぐ判りますが、不幸にして食べた場合の症状は、食後数時間しますと腹痛、胃腸障害、虚脱、目まい、眠気、下痢などが現れてきます。国内では学校とか工場の給食などでたまに発生します。
外国で、100名の兵士が集団中毒を起こした例があります。わが国では、イモを多量に食べないので事故は少ないのですが、マッシュ・ポテトによる集団中毒がありました。平成11年と12年には、小学校6年生が学校で栽培し、土寄せ不十分で緑になったジャガイモを選別せずに食べて中毒症状を出したそうです。子供は感受性が高いので、より注意が必要です。
芽が出たジャガイモの食べ方
芽が出ていたり、皮に緑色の部分があるジャガイモは買わないようにしましょう。家庭での長期間の保存を避けるため、ジャガイモはその都度必要な量を購入しましょう。
ジャガイモは、暗くて涼しい場所(20℃以上になると発芽、腐敗しやすくなりますので、10℃くらいの涼しい場所が好ましいです)に保管し、冷蔵庫で保存する必要はありません。それでも、家庭で保管していて芽が出たり、緑色になったりすることがありますが、その場合には皮を厚くむき、芽や緑の部分だけでなくその周りも多めに取り除けば安全です。
ジャガイモは下剤の代わりになる
また、ジャガイモは、生で食べると下剤の代わりにもなります。皮をむいたジャガイモのすり下ろした物を布でこし、その汁を1日小さじ1杯朝晩2回空腹時にもむと便秘に効果があります。 ですから、下痢の方はくれぐれも、火の通っていないジャガイモを食するのはやめましょう。
下痢の改善は腸内環境から
現代では様々な有害な要因が重なり、腸内環境は非常に悪化しています。腸内が酸性に傾き、悪玉菌がはびこり、結果病気が慢性化した状態になっています。
「元気の元は胃腸から」と昔から言われている通り、健康になるためには腸が元気、つまり腸内環境が良好である事が必要なのです。
下痢は重篤な病気になる前の症状かもしれません。今のうちにしっかりと下痢を改善していきましょう。 また、下痢の原因になるような有毒物質を口に入れたとしても、腸内環境が良好であれば重篤な症状にならなくて済みます。腸内環境を整える最適なサプリメントがありますので、上手に利用してみましょう。