下痢の原因は様々ですが、食に関する伝承の一つに合食禁(がっしょくきん)というものがあり、一緒に食べるときに食材の取り合わせが悪いとされる言い伝えで、一般に消化に害を来たし、下痢の原因ともされています。
下痢の原因は食べ合わせが悪いから
一般的には食い合わせ、食べ合わせと呼ばれることが多いようです。医学的根拠がないものもありますが、ちゃんとした理由があるものもあります。
中には食べ合わせで、下痢だけではなく、発がん性を起こすものなどがあります。ひょっとしたら気づかないうちにあなたも食べてしまっているかもしれません・・・。
胃腸の弱い方、下痢気味の方、体力が衰えている方は食べ合わせの悪い例を挙げてみますので、心当たりの方は気をつけてみましょう。
食べ合わせで下痢になる理由
①消化の悪い物同士の組み合わせ
②消化の悪いものと水分の多い物
③共に体を冷やす物
では実際にどんなものがあるか見てみましょう。
①消化の悪い物の食べ合せ
●ピザ
小麦と乳製品はどちらも消化しにくいもの同士です。 組み合わせればさらに身体への負担は重く、未消化物が残りやすくなります。消化不良で下痢になりやすくなります。
●シチュー
秋から冬には食卓にもよく登場するシチューですが、実は牛乳と肉と小麦は3つとも消化が悪く、アーユルヴェーダの中でも代表的な避けるべき組み合わせとされています。おなかの弱い方は適量にして食べ過ぎないようにしましょう。
●シリアルにミルクをかけて食べる。
炭水化物と乳製品の組み合わせは未消化物を腸に残しやすい朝食です。いただくなら単体で食べましょう。
ヘルシーだからいくら食べても大丈夫とは思わずに基本をしっかり考えましょう。
●食後のフルーツ
果物の消化にかかる時間は、だいたい30分ほど。 食べたら短時間であっという間に消化されます。
ですがこれは消化に負担のかかる原因になります。食後にフルーツを食べると、胃の中にご飯やお肉がまだ消化されずに残っているところへ、さらに果物が入ってくることになります。
本来ならばすぐに消化されるはずのフルーツが、胃の中でなかなか消化されないという状態になります。
すでに消化が進んでいるフルーツが胃の中に長い時間とどまっていると、 消化不良になるだけでなく、胃の中で発酵して悪玉菌を増やす原因にもなってしまいます。ですから、フルーツは空腹時に食べるのがおすすめです。
●フルーツヨーグルト
ヨーグルト自体が乳製品ですので消化に時間がかかります。フルーツ自体は30分前後であっという間に消化されるものですが、ヨーグルトを一緒に食べることで消化時間が1~2時間余計にかかることになります。
消化に時間がかかるということは、胃腸に負担をかけます。
健康にいいからという理由でフルーツヨーグルトを食べるのであれば、フルーツ本来の良さを活かすためにもフルーツを単品で食べることをおすすめします。
●ところてんと生卵
ところてんに卵をかけてとろみをつける食べ方がありますが、ところてんは海藻ですので消化が良くありません。また生卵も消化が悪く、消化が悪いものどうしの組み合わせです。両方とも消化に時間がかかるので、胃腸に負担が掛かり、下痢をすることがあります。
②消化の悪いものと水分の多い物
●スイカと天ぷら
スイカは水分が多いため、胃酸を薄めてしまい、天ぷらは油が多く消化が難しくなります。また、油っぽい天ぷらの後にさっぱりとしたスイカは、ついつい食べ過ぎてしまいます。 「油分の多い食べ物」と「水分の多い食べ物」、熱い食べ物の後の大量の冷たい食べ物、といった組み合わせは、胃腸の弱い人、特に下痢気味の人は、避けたほうが無難です。
●トウモロコシと氷水
夏に食べるトウモロコシは美味しいのですが、氷水と食べると危険です!
とうもろこしは食物繊維が多くて非常に消化が悪く、氷水を組み合わせると下痢をしてしまいます
●油揚げとキュウリ
油揚げは油分が多く、キュウリは水分が多いです。特に有害性があるわけでは無いですが、油と水で胃酸が薄まり、体に負担が掛かります。下痢の方は避けましょう。
③共に体を冷やす物
●スイカとビール
夏のスイカもビールも暑い時には至福のひと時ですが、両方とも冷たい物で殆どが水分です。尚且つ利尿作用があります。水分の摂り過ぎで下痢になる場合がありますので注意しましょう。
●蟹と柿
蟹はビタミンB1・B2が多く、栄養の代謝を良くするといった一面を持ちますが。傷みやすいといった面も持っています。傷みやすい蟹と、消化の悪い柿の組み合わせは蟹も柿も体を冷やすため、一緒に食べるとダブルパンチで身体を冷やします。下痢の人は症状が重くなるので、注意しましょう。
またこの組み合わせは、山の幸と海の幸の組み合わせでもある。昔は両方を一緒に食べようとすると、食材を調達するまでに時間が要して、どちらかが傷んでしまうことがあったため、食中毒になったということから食べないようにとことになったようです。
挙げたものは例にしかすぎませんが、同様の作用のある食材を一緒に食べると下痢になってしまいますので、食べ合わせの基本を考えて、体を温めるものを選択していきましょう。
大事なことは質と量
いくら消化の観点から見るとよくない食べ合わせでも、上にあげたものを日々の食生活から完全に抜くのは難しいものです。こういう時はとにかく食べ過ぎないように、量に気をつけましょう。
例えばピザは半分くらいにして、後はサラダを食べる、というような工夫してみましょう。
美味しいものを身体にいいか悪いかで食べるものを厳密に決めていては食事がつまらなくなってしまいますので、家ではなるべく消化に負担をかけないものを作って食べましょう。 美味しいけれど身体に良くなさそうなものを楽しむときには食べ過ぎないことが大事です。
結局何を食べるにも質と量が大事ですので、この心がけを習慣にすれば、下痢にならなくてすみます。
腸内環境を整えよう
「元気の元は胃腸から」と昔から言われています。胃腸が丈夫であれば、多少無理をしてもすぐに回復しますが、胃腸の弱い方はちょっとした刺激でも下痢をしたり、おなかを痛めたりします。
腸内環境をしっかり整えて、消化能力などを高めた腸内になると下痢の改善は一段と早くなります。