下痢の原因は食物繊維不足

下痢の原因は年々増加しています。下痢が続く状態も様々です。下痢の中には病的でない、あるいは何らかの疾患で副次的に下痢になるなど原因は様々です。

消化の良い食べ物が続く下痢の原因に

下痢が続く方のお話を伺うと「消化の良い食べ物を摂っているのに下痢が治らない。」と仰います。

確かに、急性の下痢であれば1~2日、お粥やうどんなど消化の良い食べ物を食べると快方に向かいますが、長い間下痢に悩んでいる慢性下痢の方にはお勧めできないのです。

下痢が続く原因は炭水化物の偏り

消化の良い食べ物…炭水化物オンリー、つまりお粥ばかり食べているのではないでしょうか。炭水化物ももちろん必要な栄養素ですが、炭水化物だけでは便にはならないのです。

バランスのとれた和食、ご飯(パンより米)、魚、味噌汁、漬物、ホウレンソウのおひたしなど、普通の食事をしてみて下さい。

野菜はサラダよりも火を加えたものの方が体を冷やさなくて良いです。

更に、炭水化物などに含まれる特定の糖質を小腸でうまく吸収できない体質と腸内細菌の特徴で、これらを多く摂取したときに症状が悪化、下痢がなかなか改善しないという人もいます。

本来、糖質は消化酵素で分解され、小腸で吸収されます。

ところがある糖質は小腸で吸収されづらいため、小腸から大腸へとそのまま到達します。

そして大腸で腸内細菌と糖質が異常発酵を起こし、過剰な水素ガスが発生し、腸の働きが不調になるのです。

下痢を改善する食物せんい

便が出来るのに一番大事なのは「食物せんい」。下痢気味の方はこの食物せんいを敬遠している方が多いようにお見受けします。
食物せんいの多い食品は消化が悪くて、“胃腸に負担をかけるだけの邪魔者”だと思って下痢の人は食べてはいけないと思われているようです。

確かにせんいを多く含んだ食品はよく噛まなければいけないのもが多く、食べにくいものも多かったのです。それ自体には栄養がないため、長い間食べ物の「カス」のような扱いを受けていた食物せんいですが、

1930年代から徐々に健康への影響が研究され始め、1970年代に大腸がんのリスクを下げることが発表されると、たちまち人々の食物せんいに対する関心は高まっていきました。

食物せんいには「水溶性食物せんい」と「不溶性食物せんい」の2種類があります。

水溶性食物せんいは、水分を吸収してぬるぬるとしたゼリー状になる物質です。ゼリー状なので、糖を包み込んで吸収しにくくし、血糖値の急激な上昇を抑えることができます。

また、同じようにしてコレステロールの吸収を抑え、排出しやすくする効果があると考えられています。

腸の中で発酵すると、ビフィズス菌などの善玉菌を増やして腸内環境を改善する効果もあります。ですので、下痢が続くなどという人は不溶性食物せんいが不足しているのかもしれません。

不溶性食物せんいが下痢を改善

水溶性食物せんいを多く含む食品は、ヌルヌル、ネバネバしているのが特徴です。

ワカメなどに含まれているアルギン酸、ラミナリン、こんにゃく、山芋、里芋に含まれているマンナン、果実類のリンゴやオレンジイチゴなどをジャムにする時固める成分であるペクチン等が代表的なものです。

その他、果物、抹茶粉末、ピュアココア、納豆などがあります。納豆は不溶性食物せんいもたっぷり含んでいます。

一方、不溶性食物せんいは野菜、穀類、芋類、果実類に含まれているセルロース、ヘミセルロース、リグニンや玄米、ふすまなどに含まれているキシラン等があり、米みそ、大豆や小豆などの豆類、きのこ類、ごぼうなどに多く含まれています。

これらはいかにも口あたりがボソボソしたものです。野菜などで見ることができるせんいのようなもので、胃や腸で水分を含み、便のかさを増やして排出しやすくしてくれます。

また、腸の蠕動運動(腸が便を校門に押し出す動き)を促して便秘の解消に役立ちます。

不溶性食物せんいも、水溶性食物せんいのように腸内で発酵して善玉菌を増やすことができますが、水溶性のほうがこの効果は高いとされています。

せんいを摂る事によって善玉菌が増えて、腸全体の調子をよくしてくれるからです。

ゴボウや筍のような水に溶けないせんいの多い食品は避けますが、海藻のように水に溶ける消化の良い食物せんい食品は大丈夫どころか摂らなければ、いつまでも根本解決につながらないのです。

意識して「水溶性食物せんい」を摂ってみましょう。

腸内環境を整えよう

「元気の元は胃腸から」と昔から言われています。腸内では消化吸収・排出、ホルモン産出など様々な生命活動が行われます。

今では多くの人達が生活習慣病の9割は腸で治ると言っています。それほど腸内環境は重要視されています。腸内環境をしっかり整えてくれるサプリメントがありますので上手に利用しましょう。