下痢の原因は冬の食中毒
下痢の原因は様々です。下痢は慢性的な下痢あるいは、急な下痢、緊急を要する下痢などたくさんあります。特に食事が原因となる食中毒による下痢には注意が必要です。
食中毒は梅雨時期や夏場に多いと思われがちですが、この冬場にも食中毒は多く発生しています。うっかりすると死に至ることがありますので油断は禁物です。
冬の食中毒が下痢の原因に
食中毒とは
食中毒とは、食事が原因で消化器に異状を起こし、ひどい腹痛、下痢、嘔吐、発熱、といった症状が現れる病気。
その原因によって、「細菌性」「ウイルス性」「自然毒」「化学性」などに分けられます。主な食中毒には次の様なものが挙げられます。
● 細菌性食中毒・・・.・カンピロバクター、腸管出血性大腸菌など
●ウイルス性食中毒・・・ノロウイルス、ロタウイルスなど
●自然毒食中毒・・・・・フグ毒、毒キノコ、トリカブトなど
●化学性食中毒・・・・・.洗剤、農薬、有機水銀などの化学物質
症状としては、下痢やおう吐などがよく知られており、これらの症状によって脱水症状を起こします。
変化に弱い高齢者や子どもでは重症化しやすく、特に注意が必要です。家庭での応急処置として殺菌消毒の意味でクレオソートを使うくらいで、間違っても下痢止めを使ってはいけません。
食中毒の下痢は、一刻も早く悪いものを、有害なものを体外に出そうとする防御反応ですから、症状によっては下剤を使うことがあるのです。
冬場はノロウイルスに要注意
食中毒の原因は様々ですが、そのほとんどは細菌性とウイルス性によるものが多いようです。細菌は高温多湿を好んで増殖するため、細菌性食中毒は、梅雨や夏の時期に多く発生します。
一方、ウイルス性食中毒は冬場に増加します。低温や乾燥した場所で長く生きることができるウイルスは、寒い冬が大好きです。中でも、最も多いのがノロウイルスによる食中毒です。
このウイルスは感染力がとても強く、ウィルスが原因でひどい下痢なります。感染規模が拡大することも多いため、結果、発生件数も最も多くなります。ちなみに、ノロウイルスによる食中毒は、年間の食中毒患者数の半分以上を占めています
このように、冬の食中毒の原因は、ノロウイルスが圧倒的に多いのですが、火が通っていない肉を食べることで食中毒になることもあります。
また、子どもはロタウイルスによる食中毒にも注意が必要です。 主な食中毒の病原体と原因および症状は次のとおりです。参考にしましょう。
病原体 |
原因 |
症状 |
潜伏 期間 |
ノロウイルス | 汚染された二枚貝や井戸水など | 嘔吐、下痢、腹痛 | 1~2日 |
ロタ ウイルス |
ウイルスが付いた食品 | 嘔吐、下痢、発熱 | 1~3日 |
カンピロ バクター |
鶏肉が多く、生肉や加熱不十分な肉 | 吐き気、腹痛、水下痢、頭痛など | 1~7日 |
腸管出血 大腸菌 |
生肉や加熱不十分な肉 | 腹痛、下痢、血便 | 3~8日 |
サルモネラ菌 | 生肉、特に鶏や卵 | 嘔吐、下痢、腹痛、発熱 | 6~72時間 |
ウエルッシュ菌 | 煮込み料理など | 下痢、腹痛 | 6~18時間 |
ブドウ球菌 | 汚染された食品 | 吐き気、嘔吐、下痢 | 3時間 |
食中毒の予防
食中毒の犯人は口から入る病原菌です。古くて怪しいものは食べないようにしましょう。ふきんやまな板はよく洗い乾して下さい。冷蔵庫過信も駄目です。
中毒の原因菌やウイルスは、基本的には加熱処理をすることで、死滅させることができます。そのため、しっかりと火が通ったものを食べることが大切となります。
特に、これからの時期には、長い休みに入る人も多いので、生活リズムが崩れやすいと思います。手洗いを徹底し、食材に菌をつけないように気をつけましょう。
予防のポイント
●病原菌を寄せ付けない
①外から帰ったら、あるいは調理をする前に手をよく洗いましょう。
②調理器具をきちんと洗う、生肉で使う調理具とそのほかのものに使う調理具を分けるなどの工夫で、食材に細菌やウイルスが付着することを防ぐことができます。
●増やさない
①細菌は暖かく湿度の高い場所で増えるため、冷蔵や冷凍を利用して菌の増殖を防ぎましょう。寒い冬でも、暖房がきいている部屋では菌が増えやすくなりますので要注意です。
●やっつける
①食材をしっかりと過熱し、細菌やウイルスを死滅させましょう。特に生焼けの肉には食中毒の原因となる菌がついていることがあるので、中までしっかりと火を通すようにしましょう。
●ノロにアルコール消毒は効きません!
①細菌やウイルスの消毒に効果抜群のアルコール。しかし、ノロウイルスに関しては、アルコールの消毒では効果がないことがわかっています。
そのため、石けんでの手洗いがいちばんの予防法です。正しい手洗いを心がけ食中毒を防ぎましょう。
②一度使ったタオルは水分がついて菌が増えやすい状態になっています。せっかく洗ってもまた手に菌がついてしまうことがありますので、こまめにタオルを替えるように心がけましょう。
腸内環境を整える
「元気の元は胃腸から」と言われています。万が一食中毒菌が口に入った場合、重篤な症状になる人と、軽くて済む人がいます。生死を分ける人もいます。
この違いは腸内環境だと言われています。それほど腸内は重要な器官なのです。腸内環境が整っていれば、たとえ下痢になったとしても回復力が違ってきます。
まずは腸内環境をしっかり整えましょう。腸内環境を整えるサプリメントがありますので、上手に利用しましょう。