下痢の原因は冬場の罹り易い疾患
下痢の原因は様々です。特にこれから冬場にかけて、ウイルスが蔓延し、インフルエンザやノロウイルスなどによる下痢が多くなります。
急性の下痢が引き金で慢性的な下痢の原因になる可能性もあります。
冬場は冷えと乾燥のため、インフルエンザや風邪に罹りやすくなります。特に新型やB型のインフルエンザは消化器系に現れる症状が強くなり、初期症状は、腹痛や下痢の原因になるだけでなく悪寒や筋肉痛、倦怠感などが先行して症状として現れ38度以上の発熱が起こります。
ここで1日中ひどい下痢が続く際に、下痢止めを飲むなどの対処法をしてしまうと、ウィルスの排出が遅れてしまい、治癒するのに余計時間がかかってしまう原因になるので、自分で判断するのではなく、まず病院で受診し医師に相談する事をお勧めします。
下痢の原因はウイルス感染
●インフルエンザ
ウイルスは比較的乾燥に強いことが知られていますが、乾燥状態が続くことが原因で、のどや気管支は防御機能などが低下するため、インフルエンザウイルスによる感染が起こりやすくなります。
空気が乾燥すると鼻のバリア機能が低下します。繊毛という組織は、鼻から肺までウイルスの繁殖を抑えていますが、鼻が乾いていると繊毛の動きが鈍くなり、ウイルスが増加し風邪をひくのです。
ですから、家に帰ると手洗いうがいを心がけ、さらに部屋の中では加湿器を利用するなどして乾燥を防ぎましょう。
●ノロウイルスとロタウイルス
特に冬場の風邪などは「お腹にくる風邪」ともいわれ、感染性胃腸炎を引きおこす冬のウイルスの代表が、ノロウイルスとロタウイルスです。冬場の下痢はこれらのウイルスが原因ということも少なくありません。下痢の原因となるノロウイルスや、ロタウイルスは発症すると激しい下痢や嘔吐の症状がでます。
この時、気をつけなければならないのが、下痢や嘔吐はカラダの防衛作用ですが、ウイルスを体外に排出するだけでなく、カラダの機能維持に大切な体液を体外に一挙に大量に排出している状態でもある、ということです。
🔷脱水症状に気を付ける
下痢や嘔吐を放置していると、体液を失った状態である脱水が進行し、疾患からの回復が遅れるだけでなく、手足のしびれや頭痛といった脱水症の症状があらわれ、深刻な病気につながることもあります。特に脱水弱者である子どもや高齢者は、下痢・嘔吐が続く場合、脱水症の危険性をしっかりと認識し、罹患した場合の正しい水分補給方法を知っておくことが大切です。
一般に成人の体液は、汗や呼気などから1,000ml、尿や便から1,500mlが毎日失われ、食べ物や飲料から同じ量を摂取して出納バランスをとっています。
下痢はカラダに必要ない老廃物と共に、消化液(体液)を大量にカラダの外へ排出している状態だと考えてください。体液は、水分と電解質(ナトリウムやカリウムなどのイオン類)とタンパク質などで構成されています。
カラダの水分を保つ機能が未完成な幼児では体液は体重の70%を占め、成人では60%、高齢者になると50%程度になって、カラダのさまざまな機能を維持する役割を持っています。
下痢が原因で、それが大量に体外へ放出されているのです。長く続けばそれだけ脱水も深刻になっていきます。体液が不足する状態が「脱水」ですから、ウイルスによって下痢や嘔吐をすることは、その時点で「脱水」を疑い、脱水対策をはじめるべきです。
これらのことに留意していないと脱水症状の前段階である「隠れ脱水」と呼ばれる状態になり、そのまま放置していると深刻な脱水症状に見舞われることもあります。夏に比べて脱水をイメージしにくい冬ですが、続く下痢でお悩みの方はぜひこの「冬脱水」のことも気に掛けながら生活していきましょう。
腸内細菌が元気な人はインフルエンザに罹りにくい
病気になりやすい人と病気になりにくい人を決定づける一番の違いはなんだと思いますか?それは免疫力の高さの違いです。免疫とは、体内に於いて自分を侵そうとしている有害なものを感知して排除しようとする仕組みの事です。
病原菌やウイルスが外部から侵入するのを防いだり、体内に発生する悪性の細胞を見つけて攻撃したり、衰弱した状態から元通りに回復したりするための自己防衛システムです。当然、免疫力が低ければ病気に罹り易くなりますし、免疫力が高ければ病気に罹りにくくなります。
こうした免疫力は腸にあり、腸こそが免疫システムの最前線基地なのです。これらの免疫細胞を活性化しているのが腸内細菌(腸内善玉菌)です。
だから、免疫力の高さは腸内細菌(特に善玉菌)によって決まっているようなもの。病気になるかならないかの鍵は腸内細菌が握っていると言ってもいいでしょう。
腸内環境を強化しよう
「元気の元は胃腸から」と昔からよく言われています。下痢の原因となる物が入ってきてもおなかの環境をしっかり整えておけば、たとえインフルエンザに罹ったとしても軽くて済むか、症状が出なくて済みます。
腸は人体最大の吸収器官ですから、食べ物の栄養と一緒にこうした有害菌やウイルスを吸収してしまったら一大事です。腸で吸収する前に、安とか有害物質を選り分けて排除しなくてはなりません。
それで、たくさんの免疫系細胞が腸粘膜に待機して、有害物質を入れない様にガードしているのです。腸管内の防御態勢はかなりシステマティック(組織的)にできています。
たくさんの腸内細菌が腸壁を覆って侵入者が入り込むのをブロックし、孤立した侵入者を免疫細胞取り囲んで攻撃しているような「捕り物劇」が腸内において繰り広げられているのです。
この捕り物劇には腸内細菌の数がものをいいます。腸内細菌が多い人ほど免疫力が高く病気になりにくいのです。腸内細菌を強化するサプリメントがありますので上手に利用しましょう。