下痢の原因は秋の食中毒
下痢の原因は本当にちょっとした事から、あるいは不注意からなど、あらゆる事柄が下痢の原因となる可能性を持っています。
例えば、食中毒は梅雨時期から夏の時期に最も多いと思われがちですが、実は秋が一番多い季節なのです。食中毒の約6割が6月から10月の間発生していて、そのほとんどが、細菌性食中毒です。
下痢の原因は秋の食中毒
「食中毒が多いのは真夏だから、これからの時期は大丈夫」と甘く見てはいけません。 実は食中毒は10月が一番多く、8月、9月が次いで発生件数が多いのです。
これから最も食中毒を起こしやすい時期が到来します。食べ物が腐ったり、悪くなったりして起こすものだけでなく、これからの季節は、毒素の含まれるキノコやふぐなどの食べ物による食中毒が増えていきます。
本来なら下痢を回避できるのですが、ちょっとした心の油断で下痢になってしまい、重篤な症状を引き起こしかねません。気候が良いからと言って食べ物には細心の注意が必要です。
症状としては食事をしてから数時間~1日ほどで、下痢や嘔吐、腹痛や発熱などを起こすものがほとんどですが、中には数日たってから症状を起こすものや、死にいたるものもあります。
野外での調理には気をつけましょう
秋は、行楽・運動会・お祭りなどの行事が多い季節で、野外での調理、食事の機会も多くなります。本来なら下痢にはならないところですが、夏バテで消化能力や体力が落ちていると腸内で正常な働きが困難になり、下痢になってしまうのです。
冬場の食中毒はノロウイルスによるものが圧倒的に多いのですが、この時期に多いのはサルモネラ菌や腸炎ビブリオ菌、ウエルシュ菌などによるものです。
腸炎ビブリオ菌による下痢
腸炎ビブリオ食中毒は、日本で発生する食中毒の原因菌としては、発生件数でサルモネラと並んで1-2位にあたり、特に1992年までは、日本における食中毒原因の第1位を占めていました。
刺身や寿司など、海産の魚介類を生食することが多い日本の食文化と大きく関係しています。日本では海水温が20℃を超える時期に多く発生します。
ウェルシュ菌による下痢
腸管内で菌の増殖と共に芽胞が形成され同時に毒素が産生され毒素により発症します。8〜20時間の潜伏期の後、水様性の下痢を引き起こします。腹痛と下痢が起こりますが、嘔吐、発熱は見られないのが特徴です。
この細菌は熱に強い芽胞を作るため、高温でも死滅せず、生き残ります。したがって、食品を大釜などで大量に加熱調理すると、他の細菌が死滅してもウェルシュ菌の耐熱性の芽胞は生き残ります。
また、食品の中心部は酸素の無い状態になり、嫌気性菌のウェルシュ菌にとって好ましい状態になるため、食品の温度が発育に適した温度まで下がると発芽して急速に増殖を始めます。
食品の中で大量に増殖したウェルシュ菌が食べ物とともに胃を通過し、小腸内で増殖して、菌が芽胞型に移行する際にエンテロトキシン(毒素)が産生され、その毒素の作用で下痢などの症状が起きます。
一度に大量の食事を調理した給食施設などで発生することから“給食病”の異名もあり、患者数の多い大規模食中毒事件を起こす特徴があります。
発生原因施設は、他の食中毒と同様に飲食店、仕出し屋、旅館、学校などの集団給食施設による事例が多く、カレー、シチュー、スープ、麺つゆなどのように、食べる日の前日に大量に加熱調理され、大きな器のまま室温で放冷されていた事例が多く見られます。
『加熱済食品は安心』という考えがウェルシュ菌による食中毒の発生原因となっています。逆に、家庭での発生は他に比べて少ないことが特徴的です。
秋はイベントも多く、外で食事したり調理したりする機会も増える時期です。衛生面にしっかり気を付けて、食欲の秋を楽しみましょう。
秋の食中毒を予防には
食中毒は高温多湿の時期に発生すると思われがちですが、秋が最も多いです。秋の食中毒予防に注意する点として挙げてみました。
●9月も半ばをすぎると、すごしやすい気候になりますが、食中毒菌の増殖には気温も湿度も充分で、まだまだ油断はできません。食品の作りおき、長時間の放置は危険です。必ず食べる前に再加熱しましょう。
●秋は、行楽・運動会・お祭りなどの行事が多い季節で、野外での調理、食事の機会も多くなります。また、夏ばてで体力が落ちており、体の抵抗力が弱くなっています。
自分の体力が弱っているなと思ったら野外での調理に、お弁当などには細心の注意を払いましょう。
●また、野生のキノコが多く発生する季節で、毒キノコによる食中毒もたいへん多くなります。キノコの知識をしっかり持つか、あるいは不確かなものには手を出さないようにしましょう。
●秋は食欲が出ます。食べ過ぎると消化能力が低下し、普段下痢にはならないものまで、下痢の原因となることがありますので、食べ過ぎ、飲み過ぎには注意しましょう。
●秋は朝夕と日中の温度差が大きく、また秋は低気圧と高気圧が交互に通過し、そのたびに気温が乱高下します。1日の中での気温差よりも、日々の気温差が大きくなる時期と言えます。おなかの冷えは服装で管理をしましょう。
腸内環境を整えよう
「元気の元は胃腸から」と昔から言われています。現代でも生活習慣からくる病気の殆どは腸内環境が悪いことが原因だと言われています。食べた物が十分に消化され、余分なものは正常には排出されて初めて健康は維持できます。
腸内環境が整うと、下痢の改善も早くなります。腸内環境を整えるサプリメントがありますので上手に利用しましょう。