フルグラ・グラノーラで下痢・腹痛になるのはなぜ?お腹を壊す原因と対処法

執筆・監修:箕浦雅子(薬剤師)|株式会社健将 代表取締役

「フルグラを食べると下痢になる」

「グラノーラを食べたあと、お腹が痛くなる」

「健康に良さそうなのに、なぜか自分には合わない」

そんな経験はありませんか。

結論からいうと、グラノーラそのものが、すべての人に下痢や腹痛を起こすわけではありません。

グラノーラには、オーツ麦などの穀類、ドライフルーツ、ナッツ、シロップ類、油脂など、さまざまな原材料が使われています。

さらに、牛乳やヨーグルトをかけて食べることも多いため、症状が出た場合には、

食べる量
食物繊維
ドライフルーツ
牛乳やヨーグルト
FODMAP
ナッツや穀類などの原材料
もともとの腸の敏感さ

など、いくつかの要因を分けて考える必要があります。

この記事では、フルーツグラノーラやグラノーラを食べたあとに下痢・腹痛・ガスなどが起こる理由と、原因を切り分ける方法を整理します。

グラノーラを食べると下痢・腹痛になる主な原因

グラノーラを食べたあとにお腹の調子が悪くなる場合、主に次のようなことが考えられます。

  1. 一度にたくさん食べた
  2. 食物繊維を急に多く摂った
  3. ドライフルーツが合わなかった
  4. 牛乳やヨーグルトが原因だった
  5. 商品に含まれる原材料が自分に合わなかった
  6. IBSなど、もともと腸が敏感だった

「グラノーラ=果糖が原因」と最初から一つに決めつけるのではなく、何をどのくらい食べたときに症状が起こるのかを見ることが大切です。

原因① 食べ過ぎ・一度に多く食べた

まず確認したいのが、食べた量です。

グラノーラは小さく軽いため、見た目以上に食べやすく、一度に量が多くなりやすい食品です。

そのまま食べるだけでなく、牛乳、ヨーグルト、果物、はちみつなどを加えると、食事全体の量も増えます。

「少量なら大丈夫なのに、多く食べた日に下痢をする」

という場合には、特定の原材料だけではなく、一度に摂った量が関係している可能性もあります。

まずは、普段どのくらい食べているのかを一度確認してみましょう。

原因② 食物繊維を急に多く摂った

オーツ麦などを使用したグラノーラには、食物繊維が含まれています。

食物繊維は、便のかさや水分量、排便などに関係する大切な成分です。[1]

ただし、食物繊維にはさまざまな種類があり、腸内での働きも同じではありません。

また、普段あまり食物繊維を摂っていない人が急に摂取量を増やすと、ガスや腹部膨満などを感じることがあります。腸が敏感な人では、とくに一度に増やしすぎないことが大切です。[1]

「健康に良いから、多ければ多いほどよい」というものではありません。

食べる量と普段の食生活とのバランスを見ていきましょう。

原因③ ドライフルーツとFODMAP

フルーツグラノーラには、レーズン、りんご、マンゴーなどのドライフルーツが使われていることがあります。

ドライフルーツは、生の果物から水分を取り除いて作ります。

そのため、乾燥することで果物に含まれていた糖類やFODMAPが濃縮されます。

また、乾燥すると見た目の量が小さくなるため、生の果物よりも気づかないうちに多く食べやすくなります。

Monash Universityも、ドライフルーツでは乾燥によって糖類やFODMAPが濃縮されるため、種類だけでなく「食べる量」が重要だと説明しています。[2]

FODMAPとは、小腸で吸収されにくく、大腸で発酵しやすい短鎖炭水化物の総称です。

腸が敏感な人では、

腹痛
腹部膨満
ガス
下痢

などにつながることがあります。[3]

ただし、すべてのドライフルーツが同じというわけではありません。

種類と量によってFODMAP量は異なり、少量なら問題なく食べられる人もいます。

「ドライフルーツが入っている=下痢になる」と考える必要はありません。

フルクトース吸収不全だから、と自己診断する必要はない

果糖、つまりフルクトースは、小腸で十分に吸収されないことがあります。

吸収されなかった果糖が腸内に残ると、水分や腸内発酵に関係し、下痢、ガス、腹部膨満などにつながることがあります。[3][4]

一方で、果糖の吸収には個人差があり、果糖を十分に吸収できないことと、実際に症状が出ることは必ずしも同じではありません。

また、フルクトース吸収不良の診断自体にも限界があり、検査結果だけで症状を説明できないことも指摘されています。[4]

そのため、

「フルグラを食べて下痢したから、自分はフルクトース吸収不全だ」

と自己診断する必要はありません。

まずは、食べる量を減らした場合や、ドライフルーツの少ない商品に変えた場合に症状がどう変わるかを確認する方が実用的です。

原因④ 実は牛乳が原因ということもある

グラノーラを食べて下痢すると、

「グラノーラが合わない」

と思いがちです。

しかし、毎回牛乳をかけて食べている場合には、牛乳も一度分けて考えてみましょう。

乳糖不耐症では、牛乳などに含まれる乳糖を十分に消化できず、

下痢
ガス
腹部膨満
腹痛
お腹がゴロゴロする

などの症状が出ることがあります。[5]

症状の程度は、摂取する乳糖の量などによっても変わります。

したがって、

グラノーラだけで食べた場合
牛乳をかけた場合

で症状が違うなら、牛乳側が関係している可能性もあります。

ヨーグルトなら必ず大丈夫とも限らない

グラノーラをヨーグルトと一緒に食べる人も多いでしょう。

ヨーグルトは製品によって、乳糖量やその他の原材料が異なります。

また、

果物
はちみつ
甘味料
ドライフルーツ
別のシリアル

などを一緒に加えると、何が原因だったのか分かりにくくなります。

お腹の調子を確認したいときは、一度に複数の条件を変えるより、組み合わせを単純にする方が原因を切り分けやすくなります。

原因⑤ グラノーラは商品によって中身がかなり違う

ここは大切なポイントです。

「グラノーラ」とひとことで言っても、すべて同じ食品ではありません。

商品によって、

オーツ麦
とうもろこし
小麦
ナッツ
ドライフルーツ
はちみつ
シロップ類
チョコレート
油脂

など、使われている原材料が異なります。

商品によっては、オーツ麦主体のものだけでなく、コーンフレークなどを使用するものもあります。

つまり、

「Aの商品は大丈夫だったのに、別の商品ではお腹を壊した」

ということがあっても不思議ではありません。

症状が出た場合には、「グラノーラ」という食品名だけで判断せず、原材料表示も確認してみましょう。

原因⑥ ナッツや穀類など別の原材料が関係することも

商品によっては、カシューナッツ、アーモンド、小麦、大麦などが含まれることがあります。

FODMAPの観点でも、食品によって含まれる糖質の種類は異なります。

Monash Universityでは、カシューナッツは主にフルクタンやGOSを含む食品として、牛乳は乳糖を含む食品として紹介されています。

一方、オーツは適量であれば低FODMAP側の食品例として掲載されています。[6]

つまり、

「オーツ麦だから下痢になった」

「ナッツだから下痢になった」

と一律には言えません。

その商品の原材料と、自分の症状の出方を合わせて見ることが大切です。

IBSなど、もともと腸が敏感な人では症状が出やすいことも

過敏性腸症候群(IBS)の人では、FODMAPを多く含む食品によって、腹痛、膨満感、ガス、下痢などが起こることがあります。[3]

ただし、低FODMAP食は、

「一生、FODMAPをすべて避ける食事」

ではありません。

Monash Universityでも、低FODMAP食は一定期間の制限のあと、食品を少しずつ再導入して、自分がどの食品をどの量まで食べられるか確認する方法が勧められています。[2]

必要以上の食事制限は避け、症状が続く場合には医師や管理栄養士に相談してください。

フルグラ・グラノーラで毎回下痢するときの切り分け方

毎回のように症状が出る場合には、すべての食品を一度に除去するのではなく、条件を一つずつ変えてみると分かりやすくなります。

たとえば、

一度に食べる量を減らす

次に、

ドライフルーツの少ない、または入っていない商品に変える

さらに、

牛乳をかけずに食べてみる

というように、一つずつ条件を変えます。

同時に全部変えてしまうと、結局何が原因だったのか分からなくなります。

「少量なら大丈夫だが、多く食べると症状が出る」

という場合も、大切な手がかりです。

食べたものを簡単に記録しておく

毎回症状が出る場合には、簡単な記録も役立ちます。

記録しておきたいのは、

商品名
食べた量
牛乳・ヨーグルトの有無
一緒に食べた食品
食べてから症状が出るまでの時間
下痢・腹痛・ガスなどの症状

です。

数回分を並べると、症状が出やすい条件が見えてくることがあります。

医療機関を受診するときにも役立ちます。

フルグラやグラノーラを完全にやめる必要はある?

一度下痢をしただけで、その食品を一生避けなければならないとは限りません。

まずは症状が落ち着くまで休み、その後、原因を確認したい場合には、量や組み合わせを見直します。

ただし、

食べるたびに強い腹痛や下痢が起こる
少量でも毎回症状が出る
ほかの食品でも同じような症状を繰り返す

といった場合には、無理に何度も食べて確認する必要はありません。

医療機関で相談してください。

食物アレルギー症状がある場合は別

グラノーラには、商品によってナッツ、小麦、乳成分などが含まれます。

食物アレルギーでは、下痢や腹痛などの消化器症状だけではなく、

じんましん
皮膚のかゆみ
口や唇、舌の違和感や腫れ
のどの違和感
せき
息苦しさ

などが現れることがあります。[7]

消費者庁も、呼吸がしにくい、のどや胸が締め付けられる、意識がもうろうとするなどの症状は緊急性が高いとしています。

このような症状がある場合には、単なる「お腹との相性」と考えず、緊急性の高い症状では速やかに救急対応を行ってください。

こんな場合は医療機関へ

グラノーラを食べたあとに一度だけ便がゆるくなり、その後すぐ戻った程度であれば、必ずしも受診が必要というわけではありません。

一方で、

下痢が何日も続く
強い腹痛がある
高熱がある
血便が出る
黒いタール状の便が出る
嘔吐を繰り返す
水分が十分に取れない
体重が減ってきた
少量の食品でも繰り返し症状が出る

といった場合には、医療機関へ相談してください。

まとめ|フルグラで下痢をしても、原因は一つとは限らない

フルグラやグラノーラを食べたあとに下痢・腹痛が起こっても、

「果糖が原因」

「食物繊維が原因」

と最初から一つに決めることはできません。

考えられるのは、

食べる量
食物繊維
ドライフルーツとFODMAP
牛乳やヨーグルト
ナッツや穀類などの原材料
IBSなどの腸の敏感さ

などです。

とくにグラノーラは、商品ごとに原材料がかなり異なります。

まずは、何をどのくらい食べたときに症状が出るのかを確認してみましょう。

症状が続く場合や、血便、強い腹痛、体重減少などを伴う場合には、自己判断を続けず医療機関へ相談してください。

参考文献・参考情報

[1] Harvard T.H. Chan School of Public Health.
Fiber – The Nutrition Source.
食物繊維の種類、便のかさや水分量、消化管での働きについて参照。
Harvard T.H. Chan School of Public Healthの資料を確認する

[2] Monash University.
FODMAP FAQs.
FODMAPの概要、ドライフルーツにおける糖類・FODMAPの濃縮、摂取量の重要性、低FODMAP食の再導入について参照。
Monash UniversityのFODMAP FAQを確認する

[3] Fedewa A, Rao SSC.
Dietary fructose intolerance, fructan intolerance and FODMAPs.
Curr Gastroenterol Rep. 2014;16(1):370.
DOI: 10.1007/s11894-013-0370-0. PMID: 24357350. PMCID: PMC3934501.
PubMedで論文を確認する

[4] Benardout M, Le Gresley A, ElShaer A, Wren SP.
Fructose malabsorption: causes, diagnosis and treatment.
Br J Nutr. 2022;127(4):481-489.
DOI: 10.1017/S0007114521001215. PMID: 33818329.
PubMedで論文を確認する

[5] National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases(NIDDK).
Symptoms & Causes of Lactose Intolerance.
乳糖不耐症に伴う下痢、ガス、腹部膨満、腹痛などについて参照。
NIDDKの資料を確認する

[6] Monash University.
FODMAP food list.
果物、乳製品、穀類、ナッツ類などに含まれる代表的なFODMAPについて参照。
Monash UniversityのFODMAP food listを確認する

[7] 消費者庁.
食物アレルギー表示に関する情報/外食・中食での食物アレルギーについて.
食物アレルギーの症状、アナフィラキシー、緊急時対応について参照。
消費者庁の食物アレルギー情報を確認する

執筆・監修

箕浦雅子(薬剤師)
株式会社健将 代表取締役

薬剤師としての専門知識を基盤に、長年にわたり健康・食品分野に携わり、腸内環境や納豆菌をはじめとする健康情報の発信を行っています。

株式会社健将は健康食品の企画・開発・販売も行っています。本サイトでは、健康や身体に関する一般的な情報について、公的機関・医学論文などを確認しながら、できる限り正確で分かりやすい情報提供に努めています。

利益相反(COI)について

執筆者は株式会社健将の代表取締役であり、同社は健康食品の企画・開発・販売を行っています。

本記事は、特定の食品、医薬品、サプリメント等を批判・推奨することを目的としたものではなく、公的機関・医学論文等の情報をもとに、一般的な健康情報を提供することを目的としています。

「フルグラ®」はカルビー株式会社の登録商標です。カルビー公式サイトでも登録商標であることが明記されています。

本サイトおよび執筆者はカルビー株式会社とは関係がありません。本記事は、同社または同社製品を批判・誹謗したり、購入回避を勧めたりすることを目的としたものではありません。

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※本記事は一般的な健康情報の提供を目的としたものであり、個別の診断・治療を目的とするものではありません。症状が続く場合や気になる症状がある場合は、医療機関へご相談ください。