最近、「女性の半分は便秘に悩んでいる」「女性は便秘に悩み、男性は下痢に悩む」といったウェブニュースや記事をよく目にします。
男性の下痢、女性の便秘
どのような統計なのか、どういった方々をアンケートしたのかという点でも随分違うのですが、やはりそのような傾向がある、というのは事実です。
何故女性が便秘になりやすいのでしょうか。女性特有の原因として2つのことが考えられます。
ひとつは排卵後に分泌される女性ホルモンの「プロジェステロン」が原因によるものです。 「プロジェステロン」は水分や塩分を溜め込む作用があり、下痢になりやすくなります。
また、食欲も旺盛になります。甘いものが食べたくなるので、バランスのよい食事とはいえない内容になってしまうことが多いのです。
生理直前や生理になると、プロジェステロンの分泌がなくなり、かわりに「プロスタグランディン」というホルモン様物質(ホルモンに似た働きをする物質)が分泌されます。
この物質は腸を収縮させる作用があり、今度は下痢になりやすくなります。
もうひとつは男性よりも女性のほうが筋力が弱いことによるものです。腸を動かすためにはある程度腹筋の力が必要になります。これに、ダイエットなどの要因が加わると、筋力の低下のほかに食べ物そのものが減って食物繊維や水分の不足が便秘を起こします。
男性には女性のような要因がありません。ホルモンによる問題がなく、筋力もあり、食べる量も多いわけです。さらに、「男性のほうがトイレを我慢する傾向が少ない 」といったことも関係あるかもしれません。結果、便秘にはなりにいくいのかもしれませんね。
よく言われるのは、「男性はアルコールや冷たい飲み物、脂っこい食べ物を多く食べるので消化不良を起こしやすい」というものです。
この説明で納得の行く方、耳の痛い方もいらっしゃるかもしれませんが、これはあくまでも一部の方々のお話。サラリーマン人口は昔も今も多いものの、働く形態の違い、習慣の違いなどを考えると、これだけを原因と考えるとは違和感があります。
そこで、より現代に沿った考え方として、「ストレスによる下痢」が考えられています。一過性のものであれば問題ありませんが、慢性的な場合には過敏性腸症候群の可能性が高くなります。実際、過敏性腸症候群に悩む男性は増えているのです。
もちろん、女性もすべての方が便秘になりやすいわけではなく、下痢に悩む方もいらっしゃるでしょう。共通するのはやはり精神的な部分です。
「ストレスがたまらないようにする」というのはもちろん重要なことです。ただし、ストレスとなる原因そのものを取り除くのはとても難しいことですし、自分の気持ちを切り替えて「ストレスにしないようにする」のはさらに難しいこと。最初からそんなことができたら苦労しません。
ぜひ意識していただきたいのは「ストレスがストレスになりにくい生活と体作りをすること」です。
規則正しい生活をし、体によいものを食べ、しっかりと眠ること。しっかり眠れるようにするためにはある程度からだを動かすことも必要ですね。体を整えることで、精神的にも回復することが非常に多いのです。それ事体がストレスの発散に繋がります。
また、腸内環境を整えることも重要です。ストレス発散のためについアルコール摂取が増えてしまっている、コーヒーをがぶ飲みしている、好きなものばかり食べてしまっている、という方は、やはり腸内の悪玉菌が増えてしまっています。
どうしても食事作りに時間をかけることができない場合には、お弁当にサラダや野菜ジュースを加えてみてもよいでしょう。漬物やキムチでもいいのです。
もちろん、揚げ物やファーストフード、スナック菓子など「好きなものを減らす」ほうが腸も早く改善するでしょう。ですが、いきなりゼロにすれば結局長続きしなかったり、それ自体がストレスになるかもしれません。そう考えれば、「良いものを足す」ほうがずっと簡単です。
そういった意味では、ヨーグルトを食べることや、乳酸菌・納豆菌のサプリメント、野菜やビタミンのサプリメントもぜひ活用していただきたいものです。それほど多くの種類のサプリメントを買い揃える必要はありません。乳酸菌・納豆菌系をひとつ、野菜・ビタミン系をひとつで十分です。
あまりいろいろなサプリメントをプラスしてしまうと、配合されている栄養素が重なってしまいます。度を越えれば過剰摂取になってしまいますし、水溶性の栄養素であれば余分なものは尿と一緒に排出されてしまいますからお金も無駄になってしまいます。
基本は「生活を整え、栄養素は食べ物から取ること、どうしても摂取しにくいものをサプリメントで」、と心がけましょう。
腸内環境を整えよう
「元気の元は胃腸から」と昔から言われています。昔は今ほど添加物はなかった時代に、腸内環境が健康に大きく左右していることが体験してわかっていたのです。
現代では世界中の食材が満ち溢れ、どの食材が日本人の健康に良いのかさえ分からなくなってきています。一つ一つの食材は確かに栄養豊かであったとしても、日本人の体質に果たしてあっているかどうかは疑問となることが多いものです。
「身土不二」と言う言葉がありますが、身土不二というのは地元の旬の食品や伝統食が身体に良いのでそれを食べましょうという事です。身体に合わないものはそれを早く出そうとして下痢になってしまいます。
何を食べても下痢にならない人がいます。そういう人は腸内環境が非常に整っている人です。
腸内環境を整えるサプリメントを上手に利用しながら、できるだけ手作りの物を食べるように心がけ、食生活を改善すると、腸内環境が強化され、、下痢の改善は早くなります。