下痢の原因は様々で、体質やこれまでの食環境などに多くの下痢の原因が潜んでいます。人は食べて健康になりますが、すべての食べ物がその人の健康になる食べ物ではありません。
時には食べた物が有害なので体の外に早く排出しようとして下痢になることも多々あります。ですから下痢の原因となる食べ物は自分で自分の身体の変化をよく観察してみる事が大切です。
今回は食べ物で起きる腸内の炎症が下痢の原因となるリーキーガット症候群を考えてみましょう。
下痢の原因はリーキーガット症候群
リーキーガット症候群の「リーキー(leaky)」とは「漏れている」という意味で、「ガット(gut)」は「腸」です。つまり、リーキーガット症候群とは「腸の漏れ」によって起きる様々な健康ダメージのことで、医学的な正式名称は「腸管壁浸漏症候群」といいます。
リーキーガット症候群は、グルテン不耐症やそのほかの事が原因で腸に炎症が起こり、悪化すると腸に穴が開く病気です。
腸管に穴が開くと排出されるべき毒素や未消化の食物が腸壁を通り抜けて全身にダメージを与えるというものです。
そして、原因不明とされる過敏性腸症候群も、その殆どが、リーキーガット症候群が原因となっている可能性が高いのです。
リーキーガットが過敏な腸をつくる
過敏性腸症候群は検査では明らかな異常が認められず、何らかのストレスが関係して腸の働きが悪くなっている状態と考えられています。しかし、ストレスは誰もが感じるものであり、現代人に過敏性腸症候群が急増していることの説明としては不十分です。
また過敏性腸症候群と診断された方の中にも、自分ではストレスと無縁の生活を送っていると感じている人も多いようです。
一方、リーキーガット症候群については、不調の原因やしくみははっきりとしています。薬品や特定の飲食物、カンジダ菌の感染、その他の有害物に過剰にさらされた腸の粘膜がダメージを受け続けることで、腸に穴が開いてきます。
腸に穴が開くことで、消化吸収機能が低下し、またバリア機能が低下することで、全身に炎症が起こりやすくなるのです。
そして注目すべき点ですが、リーキーガットの症状の一つである便秘や下痢、腹部膨満、腸内ガスは、そのまま過敏性腸症候群の症状と一致するのです。
もしかしたら、リーキーガット症候群が過敏性腸症候群の原因になるというよりも、過敏性腸症候群と診断されているものの多くが、本当はリーキーガット症候群と診断されるべきものなのかもしれません。
いずれにしても、大事なのは病気の呼び方ではなく、腸内で何が起きているかということです。
リーキーガットで腸が損傷すると、まず食べ物の消化吸収が不十分になりますから、腸内に未消化の食べ物が増えます。これらは腸内細菌の働きで異常発酵(腐敗)しやすくなりますから、腸内にガスがたまりやすくなります。
そして、そのような腸内では悪玉菌が増殖しやすいため、腸内環境もどんどん悪くなって便秘や下痢につながっていきます。
また穴の開いた腸はあちらこちらで炎症が起きるため、腸が内容物を送り出す運動(ぜん動運動)も乱れはじめて、これも便秘や下痢を繰り返す原因となるのです。更に、自己免疫疾患やアトピー性皮膚炎、アナフィラキシーショックなど免疫異常によって起きる病気を引き起こす原因にもなるのです。
慢性的な下痢が解決しない場合は、お近くの病院で一度、医師の診断を受けましょう。
リーキーガット症候群の原因
この原因については、医学界でもまだ議論の最中で、意見が一致していないようです。ただひとつの原因というよりも、幾つもの要因が絡み合って漏れやすい腸がつくられると考えられており、その要因となりえるものとして以下のようなものが挙げられています。
●ある種の薬剤(特に抗生物質)
●アルコールやカフェイン
●慢性的なストレス
●食品アレルギー(グルテン不耐症など)
●農薬や食品添加物
●エイズやクローン病などの病気
●ガンの化学療法や放射線治療
●環境汚染物質の蓄積
●水銀アマルガムなど歯の詰め物
腸内環境を強化しよう
腸内では食べた物を消化、吸収、排出などの働きがあります。また腸内では消化酵素、ホルモンなども産出されています。
腸内環境が良好であれば、腸内で正常な働きができますので、下痢の改善や様々な病気の改善に役立ちます。
元気の元は胃腸からと昔から言われています。腸内環境を良好にするサプリメントがありますので上手に利用して腸を健康にしましょう。