胃の状態と下痢には密接な関係があります。胃酸欠乏症は下痢を引き起こす原因のひとつです。
胃酸欠乏症が原因の下痢って?
胃酸欠乏症とは、胃で食べ物を消化するために分泌される「胃液」に含まれる酸、「胃酸」が欠乏してしまう症状です。
胃酸が極端に少なくなったり、濃度が薄くなったりすることで消化能力が落ち、胃で十分に消化されなかった食べ物が腸にそのまま移動して消化不良による下痢を起こします。
胃酸欠乏症は胃潰瘍や胃がん、十二指腸潰瘍などで、胃を切り取る手術をし、胃自体が小さくなってしまった人に起きやすいと考えられていますが、胃炎からでも発生すると考えられています。
胃酸欠乏の度合いによって、「胃酸減少症」「減酸症」「低酸症」「無酸症」と区別して呼びます。
栄養素によっては、胃酸できちんと消化されなければ吸収もできない、というものがあります。カルシウムや鉄分などのミネラル、タンパク質、ビタミンB12などです。栄養不足も下痢を引き起こす原因になってしまいます。
また、本来胃酸で殺菌されるべき菌やウイルスも、胃を通ってそのまま腸へと侵入してしまうことになるのです。
日本人は胃酸欠乏している人が多く、人口の7割以上ではないかと考えられています。他の国に比べても多いようです。これは、日本人の昔ながらの食生活や環境が影響していると言われています。
胃酸欠乏の方が、胃の調子が悪いといって「胃酸を抑える薬」を飲んでも、この場合は逆効果である可能性が高いということですね。普段から胃の調子が悪い方は、一度きちんと受診し、どのような薬を飲むべきかを確認したほうがよいでしょう。
病院に行くほどではないけれど、胃の不調が続いている・・・という方は、自己判断で薬を飲むとますます胃の不調を招いてしまうということにもなりかねません。まずは食事の量、質を見直し、胃に負担をかける食べ方を改善しましょう。
食べ過ぎない、寝る前に食べるといった習慣を止める、油を使わない食事を心がける、といったことで、胃をよく休ませ、胃酸分泌を応援してくれる食べ物を取り入れてみましょう。梅干やレモン、ゆずなどがいいですね。酢の物も積極的に食べるようにしましょう。
腸内環境を整えよう
「元気の元は胃腸から」と昔から言われています。昔は今ほど添加物はなかった時代に、腸内環境が健康に大きく左右していることが体験してわかっていたのです。
現代では世界中の食材が満ち溢れ、どの食材が日本人の健康に良いのかさえ分からなくなってきています。一つ一つの食材は確かに栄養豊かであったとしても、日本人の体質に果たしてあっているかどうかは疑問となることが多いものです。
「身土不二」と言う言葉がありますが、身土不二というのは地元の旬の食品や伝統食が身体に良いのでそれを食べましょうという事です。身体に合わないものはそれを早く出そうとして下痢になってしまいます。
ですから、レトルト食品、ジュース、冷凍食品、ダースとフードなどを食べるのを出来るだけ避け、地元の旬の野菜を取り入れた体に良い食事を心がけましょう。
何を食べても下痢にならない人がいます。そういう人は腸内環境が非常に整っている人です。腸内環境を強化すると、下痢の改善は早くなります。食生活に気をつけながら腸内環境を整えるサプリメントがありますので上手に利用しましょう。