冷やす行動が、お腹の弱い方にとっては、下痢を誘発する原因になります
身体を冷やす食事、温める食事
暑い夏の時期は、オフィスや電車内、バスの中など、身体が冷房に否応なくさらされる時期でもあります。また、カキ氷やパフェ、シェイクなど、冷たい飲料水やデザートが食べたくなる時期でもあります。
ですが、こうした冷たいものが引き金で下痢が続く、下痢がなかなか治らないという人もいます。また、日頃下したりしない人でも、暑さによる体力の低下で、この季節しばしば下痢にみまわれるというのは、よくある話です。しかもそうした場合、お腹はなかなか元には戻らず、慢性的な下痢に進行してしまう方も多いのです。
東洋医学では食材を、三つの性質にわけています。
すなわち、陽性・中庸・陰性です。
①陽性の食品は身体を温めたり、締めたりする性質を持っています。
②陰性の食品は身体から熱をとって身体を冷やしたり、緩めたりする性質です。
③中庸は陽性でも陰性でもないものです。
またこれらの性質は、料理の仕方や加熱の有無、食べ合わせによって変化します。
下痢を改善 体を温める食べ物
体が完全に冷えてしまっている冷え性の人は、夏場でも体を温める料理を食べ、また汗をかいて、体内に溜まった水分を排泄する必要があります。
夏野菜は熱を摂る(冷やす)働きをするものが多いのですが、ニンジン、グリーンアスパラガス、絹さや、シソの葉、みょうが、唐辛子、しし唐辛子などは体を温める夏野菜ですから、たっぷりと使いたい野菜です。
夏はハーブの旬です。セージ、タイム、ローズマリーなどのハーブ類の多くは体を温めますので、煮ものや焼きものにふんだんに使いましょう。体を冷やす夏野菜であっても、加熱したり、薬味を足すことで、体を温める料理になります。
シソの葉、みょうがなどの香味野菜は、抗菌作用、解毒作用のほか、体を温める効果もあるので、夏場の料理に利用しましょう。夏場の食卓にのぼることの多い冷奴は特に身体を冷やしますので、特にたっぷり乗せましょう。
また香辛料の効いた食べ物を食べて汗を出すと、停滞していた代謝が促進されて、食欲が出て、元気も回復してきます。カレーや炒めものに唐辛子を1本余分に入れて、食べながら汗をたっぷりかきましょう。
体を余り動かさず、汗をかかない人が冷たい水を飲むと、腎臓が冷えて排尿がうまくできずにむくんでくる、水太りになり、漢方でいう水毒の症状になりやすいです。
水分を摂るときは、体を温めて利尿作用がある飲み物を摂るのがポイントです。一番簡単なのは紅茶です。生姜紅茶にすると、さらに利尿作用が高まります。
また、夏は冷えたビールを飲む機会も増えますが、ビールの飲み方にちょっとした工夫をしましょう。
①健康のためには、運動をしたあととか、入浴でひと汗かいたあとに飲む
②枝豆や塩辛、漬物、ポテトチップス、など塩の効いた体を温めるものを一緒に食べる。塩辛いものは体を温めるので、ビールの欠点を補います。
③たくさん飲みたい人は、黒ビールにしたら良いでしょう。黒色の食べ物は体を冷やしにくいからです。
いづれにしても夏はもともと体は体を冷やそうとする 働きや、食べ物が欲しくなるものです。冷蔵庫のない時代は常温で食べていましたが、現代では体を冷やす食べものをさらに冷やして食べていますから、体は加速してし冷えてしまいます。
おなかが丈夫な人は冷たいものを食べても、飲んでも下痢にもならず、心地よく過ごせますが、おなかが弱い人は下痢となってしまいますので、下痢が続く間は必ず常温で飲んだり食べたりしましょう。
下痢が続く方は腸内環境が決してよくありません。 どんなことが下痢が続く原因であれ、根本的な解決は腸内環境を良好にすることです。腸内環境を良好にするには腸内善玉菌の数を悪玉菌よりも多くしなければなりません。腸内善玉菌を増やす食べものや、善玉菌を増やすサプリメントを上手に利用しましょう。そうすれば下痢改善は一段と速くなります。